世界の水族館を演出する日プラ株式会社

沖縄美ら海水族館メインパネル

世界に誇る日本のオンリーワン「匠企業」

日プラという社名は知らなくても、同社の製品は誰もがきっとどこかで見たことがあるはず。

 

沖縄・美ら海水族館や中東・ドバイモール水族館など国内外の水族館で使われている巨大水槽の7割近くを同社が納入しており、圧倒的スケールの水槽の中で泳ぐ魚や生き物を通して世界中に感動を届けていると言っても過言ではないでしょう。

 

自身が持つ、巨大水槽のギネスブック記録を何度も更新するなど、他の追随を許さない技術力は世界で高く評価されており、これまでに製品を納めた施設は65カ国・400か所以上にもなります。

 

 

 

ドバイモール水族館

アメリカ・モントレーベイ水族館

圧倒的な技術力を支えるのは、やはり「人」

日プラの工場を見て驚くのは「機械が意外に少ない」ことです。

 

大型の研磨機や切削機などが数台あるものの、作業している「人」が目立ちます。

実際、敷山さんは「8割方は機械でできても、あとの2割は人が手をかけてやらないと最高のものはできない」と言い切ります。

人こそが中心なので、自分達が使いやすいように機械も全て自作しています。

 

強烈な水圧を受け止める巨大水槽は、アクリル板を何枚も接着して重ねることで強度を確保します。

現在では、厚さ3m・・・実に78枚ものアクリル板を重ねた積層サンプルも完成しています。

 

接着剤を入れて板を重ね合わせれば、常識的には透明度が減衰するはずですが、これまた自社開発した接着剤の組成や接着方法などを徹底的に研究することで、何十枚ものアクリル板を重ね合わせた巨大水槽でも透明度は損なわれません。

 

また、縦横数十メートルという巨大水槽の全面窓は1枚で作られているように見えますが、実はこれもまた何枚かをつなぎあわせており、特殊な接着剤に加えて、つなぎ目を磨きあげる技術の秀逸さによって、肉眼ではつなぎ目が判別できないほど精緻に作られています。

 

接着剤や接着方法・研磨・・・精緻な職人技のコラボによって、見ている人を「まるで海の中にいるかのような」気分にさせる、感動の巨大水槽が作られているのです。

本社工場での作業風景

人を活かす経営

日プラでは、三つの施策で「職人を大切にする経営」を実践しています。

 

一つ目は、職人として仕事ができる限りは会社に在籍することが可能な仕組みです。

これまでの最高齢は93歳で、亡くなる前日まで社員として在籍していたというから驚きます。

「仕事ができる限り、ずっと働いていられる」という安心感が、目の前の仕事に打ち込み、技を磨き続ける風土を形成しているのです。

 

二つ目は、敷山さんが「文鎮組織」と呼ぶフラットな組織構造で、社長以外の職人(約100名)は全員が同じ立場で上下関係がありません。

もちろん年長者への敬意はありますし、年功や技術力に応じて給与も異なりますが「管理職になった・ならない」とか上司への根回しなどで余計な気を遣う必要がなく、ひたすら技を磨いた職人が高い評価を受け、言いたいことがあれば誰もが社長に直接伝える組織になっています。

 

三つ目は、社員の家族を大切にすることです。

海外での仕事には長期出張が不可欠ですが、家族に病気や事故など万一の事態が生じた時には会社が全面的に支援するようにしており「いざという時は会社の皆が家族を支えてくれる」という安心感が、海外で働く職人の高いモチベーションを支えているのです。

 

こうした「職人を大切にする施策」こそが、感動を生み出す高い技術力・競争力の源泉だと言えるでしょう。

 

敷島社長

獲得したギネス記録の数々

水槽から芸術品・・・さらなる新分野へ

日プラの技術力の高さは多くの芸術家からも注目されており、現代美術家の森万里子氏がリオ五輪の際に滝の上に設置したオブジェの制作など数多くのアーティストに協力してきましたし、和紙や着物などをアクリル板に挟み込んだ「アート作品」を旅館に納品するなどの実績も持っています。

 

最近では高速道路の防音壁の研究もスタートさせており、巨大水槽以外にも日プラの技術力が世界で認められる機会が増えそうです。

 

80歳を超えた敷山さんは、口でこそ「そろそろ引退かな」と言いますが、元々が技術者だけあって、新しい分野への取り組みを語る時、その目は活き活きと輝いています。

 

「創めることを忘れなければ、人は老いることがない」という言葉がありますが、敷山さんと日プラの未来に向けた取り組みに、これからも目が離せません。

 

日プラ株式会社

http://www.nippura.com/

中国チャイロン海洋王国1

中国チャイロン海洋王国2

取材後記

各国の王族や元首と敷山社長が一緒に写っている写真が無造作に置かれている日プラの応接室。

日プラが、いかに多くの国から期待され称賛されてきたかが分かります。(取材:上野)

 

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