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森吉直剛アトリエ

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作品集

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■ Y邸リノベーション / House Y Renovation

タワーマンション最上階リノベーション

通常のマンションリノベーションの場合、既存の問題点が多く見付かり、壁を抜いたり天井を上げたりなど建築的な改修をして空間性と機能性を改善する事が必要ですが、今回は既存の問題点がほとんどなく、ほぼクライアントの求める機能を満たしたプランで、開放的で風通しも確保された空間でした。

唯一のハードの改善として、キッチンとダイニングの間の壁を撤去して、開放的な空間に相応しいオープンキッチンが出来るようにしました。その他は家具と表層の内装工事で、設計及び見積期間2ヶ月、工事期間2.5ヶ月のスピードプロジェクトでした。

クライアントの要望は、内装を好みの色合いと素材にすること、オープンキッチンにすること、書斎やクローゼットに造作家具を設置すること、そして、ソファ、ダイニングセットなどの家具は好みのものを選定して空間に合わせて入れる事でした。限られた予算の中で、キッチンと家具はこだわりたいということで、内装はできるだけコストを抑えることが命題となりました。

リノベーションでコストを下げる手法として、解体を減らして職人の手間を少なくすることの効果が大きいです。従って今回は、解体撤去を殆どせず、基本的に既存の上に増し貼りをして全ての仕上げを変えることにしました。壁と天井はプラスターボードの9.5mmを増し貼りし、一部を除きビニルクロスではなく塗装仕上げに変えています。窓を通して入る自然光の移り変わりが綺麗な空間だったので、塗装の壁が陰影をより美しくすると考えました。床は既存フローリングの上に、さらに挽板フローリングやカーペット等を増し貼りしています。天井が9.5mm低くなり、床が12mm程上がりますが、最上階のマンションは天井高が高く、既存で2.8Mあったことから、天井高さの体感としては殆ど変わらないだろうと判断しました。また荷重も若干上がりますが、既存図面が施工図も含めて残っていたこともあり、下地や躯体の状況を検証し、問題ないことを確認した上でこの手法を選定しました。既存の収納は、そのままの形状で生かし、仕上げをオレフィンシートで覆い直し色と質感を変えています。これらの手法は、それぞれの端部の処理や既存設備との取り合いに破綻を起こさないことが前提となります。掃き出し窓の段差や、壁際の窓の処理、そして設備機器の取り合いなどが課題でしたが、既存の内覧時に、この視点で端部や取り合いを注意深く調査して、実現可能な事を確認した上で提案しました。その効果から、他社提案より大きく減額が実現できたようです。

仕上げ材と家具選定は、クライアントと共に多くのショールームを廻り、サンプルを受理して部位別でアンバランスにならないように確認しながら選定していきました。この課程は、クライアントと建築家の感性を頼りに進める作業ですが、全体の出来上がり空間を想像しながら、個別でなく総合的に判断していくことが重要です。今回個々の選定をクライアントが、全体のコーディネートと調整を当方が行い、全体の色合いや質感に統一感がとれたと思います。

今回は、クライアントが建築家、メーカー、そして施工会社に対して専門家として信頼していることをプロジェクトの期間通して感じました。その有り難い思いをクライアントに還元することは、プロジェクト関係者全員の自然な流れとなっていました。仕様選定に真摯に対応してくれた製作キッチンメーカーの方、全体を考えながら家具の提案をしてくれた家具メーカーの方、そして難しい工事をハイスピードで精度良く達成してくれた施工会社の方、全てがクライアントの誠意からつくりだされたと感じられたプロジェクトでした。

 

photo by Satoshi Shigeta

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プロの住宅レシピ

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■ シートを使って建具の質感チェンジ

リフォーム時に建具を丸ごと取り換えるのではなく、希望の雰囲気にするため既存の建具にオレフィンシートを貼って、コストを抑えて色や質感を変更しました。(洗面所Before/After写真参照)
ここで使用したのは、アイカ工業株式会社の「オルティノ」です。単色の物だけでなく、メタル、木目など様々な質感があり、意匠性の高い製品です。
反りが出やすい薄い材や大きい面積のものに使用する以外は、片面に貼るだけでも問題ないのでコストが抑えられます。
建具をシートで白系に変更し、同じくアイカ工業株式会社のフィオレストーンのカウンター、 SCARABEOの洗面ボウル、ハンスグローエの水栓を使用して雰囲気を一新しました。

■ 解体しないリノベーション

このリノベーションでは、間取りや建具、天井高さなど空間的...