宇陀の家

作品紹介

光とスケールでつなぐ
古民家改修の作法

 

江戸時代後期、築150年の住宅の改修計画である。

当初紅梅酒の造り酒屋であった建物が数回の改修を経て現在に至る。その後住居の一部が借家になり、改修直前は郵便局が入っていたこともあった。そして郵便局が移転した後は時間が止まっていた。また、この地区は伝統的建造物保存地区に指定されており、本建物にも街路に面する外壁と屋根は復元が義務付けられていた。クライアントからの要望は既存を活かすこと、一年を通じて快適な室内環境を得られること、また住宅の機能に加え、茶事ができる室とギャラリーの設置が求められた。それらを踏まえ、おおらかな古民家をプロポーションの異なる大小のスケールに分割し、そこに大きな開口と、室内をほのかに照らす小さな開口を組み合わせ、水平、垂直方向に光で空間をつなぐ計画とした。

 

私たちは新築に限らず生活に必要な機能的な明るさを計画するのではなく、光を通じて自然を建築から感じることや、自然と建築が重なる時に浮かび上がる情景に建築の価値をあると考えている。この計画ではさらに150年前の建築とそれを再生する施工者の技術に常に敬意を払いながら、多くのことを学びながら、これまで新築の計画で取り組んできた意識に響く、光とスケールの実践を試みた。

作品集

物件

■ 竪の家

必要最小寸法の検証と快適性の実証   この住宅は佐々...
物件

■ 羽根北の家

格子天井と半壁による個と共有スペースの共存   のど...
物件

■ 法連町の家

外縁側と内縁側光と風を纏う光溜   高齢者(施主60...
物件

■ 城山の工房

敷地はいくつかの候補地を見たうえで、施主と共にこの場所を...
物件

■ 葵の家

住宅が立ち並ぶ地域において公共施設の駐車場や広場が近接す...
物件

■ 宇陀の家

光とスケールでつなぐ古民家改修の作法   江戸時代後...
物件

■ 上原の家

敷地は、農地に囲まれた緩やかな斜面地であり、北から東まで...
物件

■ 梅森坂の家

住宅地に建てられた住宅である。敷地内には1.5m程の高低差が...
物件

■ OHS

物件

■ 山之手の家

立地|敷地南側には6階建ての集合住宅が建っており、始めて...
物件

■ 栄町の光溜

内外、二世帯をつなぐ光庭   建替えによる二世帯住宅...
物件

■ 志賀の光路

街路を拡張する庭と光を取り込む高窓   住宅地の風景...
物件

■ imai

敷地からうまれた水平・垂直方向への広がり。​   間口...
物件

■ UNOU

自然が通過する、縦と横の開口。内部をつなぐ境界。   ...
物件

■ OSHIKAMO

敷地は住宅地にあり、母屋に隣接している。家族が集まる場所...
物件

■ AMA

小さな家| 敷地は田園に囲まれており、そののどかな空気と...
物件

■ OGAKI^HOUSE

季節風と周辺環境暮らしと自然の距離   敷地は住宅地...