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一級建築士事務所 GLA

建築家ならではの美しくも固有の空間デザインをご提示します。
理想の家について、じっくりお話しを伺いながら、課題解決だけでなく
「こんな素敵な毎日が送れるかもしれない」という可能性を共に見つけていきます。


住所: 北海道札幌市手稲区(詳細は問合せ後お伝え致します)

E-mail :gla@gla-mail.com
URL : https://www.ghent-label-archi.com/

作品集

物件

■ 森の素形

敷地は山麓に位置し,遠景にはピンネシリから暑寒別岳,近景には四季折々の表情を見せる森,と実に借景に恵まれた環境であった.錆びた鉄板敷の長いアプローチを抜けた崖の上にこの「森の素形」はある.グレーに退色したその佇まいは,雑木群の繫茂する力強さや厳しい冬の風雪に耐え忍ぶかのような端然とした表情をまとっている.何度か森の中を歩くうちに,この森の延長のような空間,生命力に満ちた木々を純粋な幾何に換言し,同化してゆきながらも自立する輪郭を与えたいと思うに至った.つまりは「森の素形」という状態を見出し,大きな幹のような構造体を崖の木々と呼応させるようレイヤー状に4列立ち並べることとした.

粗いコンクリート壁に導かれた玄関の構えは狭く,銅板扉で介された玄関内は一転して広い.大きく穿たれた開口は意識を外の森へと自ずと導き,折紙のような鉄板の螺旋階段は上階へと視線を誘う.また住居の背骨部分には長大な家具の木々が聳え立ち,家族はそれを縫うように生活をする.この家具の森を含む4層のレイヤーによって「外の間」や「吹抜」といった空間的豊かさも数多く内包することができた.

玄関から家具の森に沿って歩みを進めると,やや下がったところに居間が開ける.床は外の地面と同じ高さとなり庭の草花を近くに愛でることができる.居間から家具の森越しにつながる斜向かいのDKには黒皮鉄板の大きなテーブルが設えられ,「外の間」上部より木漏れ日のような光が落ちる.また,家具の木々に架けられた廻廊のような二階は森の空中を歩くような感覚を与え,大小四つの吹抜けは上下にいる家族の存在を紡いでゆく.また吹抜上部の天井は鈍い反射性を与えることにより奥行きが生じ,あたかも空に近い状態となった.この銀盤の空は春夏の深緑や秋の紅葉,冬の白銀世界を映し込み,室内を四季色に染め上げている.各「間」には外の森の枝葉を抽象化した大きな板が銀盤の空の下に浮かび,木陰のような「間」に佇んでは自然の美しさを感受する.小さいながら複雑で,どこまでも終わりのないような住宅となった.僕らはこの森の原型のような場所でnLDKという概念から解き放たれた新たな感性を育くもうとしている.

■ 銀斜壁の境界

「眺望だけはこだわりたい.あとは自由に描いてみて下さい....

■ 山麓の洞門と双庭の間

この住宅は山麓に位置し,雛壇状に形成された古い造成地にあ...

■ 蘇芳の器

この住宅は,牧草地と公園に隣接した伸びやかな敷地に計画さ...

■ 15F boutique

15階のブティック. 見晴らしの良いマンションの一室は刷新...

プロの住宅レシピ

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■ 住む人の生活を呼びさます 直立しない壁

住宅をつくるときに、当たり前のように通り過ぎているものをあらためて見直すことで空間の質が変わり、それに応じて住む人の生活が豊かに呼びさまされていくことがあると思います。
建築家として家をつくる上でそういったことを大切にしたいと思い、考えていく中で、壁は必ずしも直立している必要もないだろうと思い『森の素形』の壁面が生まれました。
壁が意思を持っているかのように部分的に変形してせりだし、窓のように開口部を持ったり、出窓のようにスペースを持って、外や吹き抜けの空間へとつながります。これにより2階の1.7m幅の細長い狭いスペースが、実際の面積の範囲を逸脱して広がるような感覚になり、開放的で用途も限定されない空間になります。また、1階と2階が分断された空間ではなくなり、2階の壁に開けた隙間に腰掛けたり、顔をだして呼びかけたりすることで新たなコミュニケーションの形が生まれます。
空間の形が生み出す新たな生活の形というものもあると思い、家族構成などを見ながらこのような家の中の仕掛けをよく提案しています。