プロの住宅レシピ 家族の思い出も詰まった色で繋がる家

プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介
カラー化粧板

階段の手すりのボードはピンク、階段の蹴込みとそれにつながる床はパープル

床材

光が当たって次の空間の色と影響しあい、空間同士が色で繋がる

バスタブ

バスタブのある空間はグリーン、右上の照明部分はイエロー

家の奥(北)側に行くほどはっきりした色になり、明るく個性的で楽しい空間になる

回遊できる家の中の色がつながる4色が揃った空間。(ピンク、パープル、グリーン、イエロー)

『葉山の住宅』では室内に様々な色を使いました。
この建物は南側はとても開放的で明るいのですが、北側には擁壁があり、暗くなりがちな立地条件でした。そこで家の奥側である北側を明るく楽しい空間にするため、家の奥に行くほど強く個性的な色を採用しました。光が射すと手前の空間と奥の空間の色が影響しあい混ざって、色が先行して変化して次の部屋と繋がっていくように作っています。トイレや浴室も断絶せず、この家の楽しい色の空間として溶け込んでいます。
加えて、家族の色の思い出も家に盛りこみました。床に紫色のリノリウムを採用しているのですが、この色には子供との思い出があります。この家に暮らす前、都内の井の頭線沿線に住んでいました。電車が大好きだったまだ小さい息子は井の頭線に夢中で、最初に発した言葉が、なんと車両カラーの「バイオレット」でした。それ以来私たち家族は紫色が思い入れのある色となり、『葉山の住宅』を作る際にも家に紫色を使用することにしました。
これは私たち家族の例ですが、それぞれの家族の思い出が詰まった空間をつくることができるのも家づくりの楽しみかと思います。

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採用されている製品

化粧板|株式会社 伊千呂
株式会社 伊千呂
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真泉洋介
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:化粧板

伊千呂さんに特注色のピンクのポリエステル化粧板をお願いしたのですが、あまりの色再現能力の高さに驚きました。私たちは、雑誌を持っていき、「このページの色で作ってほしい」とくすみがありながらも明るい柔らかいピンク色を指定しました。かなり繊細なニュアンスのある色味だと思うのですが、伊千呂さんはほぼドンピシャの色を出してくださいました。日本のメーカーさんは伝統色にはとても強いですが、やや和風すぎる方向のニュアンスカラーになるとになることも多いです。伊千呂さんはヨーロッパ的な色彩感覚もあり、再現する技術力も高く、とても頼りになる存在だと感じました。対応もとても親切で信頼できるメーカーさんです。
採用製品
マーモリウム|フォルボ・フロアリングB.V.
フォルボ・フロアリングB.V. 日本支店
プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:マーモリウム

マーモリウム・マーブルの3266 lilac(ライラック)を採用しました。『葉山の住宅』では色を大事にした家づくりをしており、床と階段の一部に使用しています。フローリング以外にも色んな床を使いたいと考えていて、天然素材のものを探してマーモリウムを選択しました。発色の良さなどから一見化学合成された物のように見えますが、亜麻仁油などの天然素材で作られていて、ライラックの色に関しても花などの色素からできた顔料で作られているものです。紫色の建材というものは意外と少なく、とてもきれいな色合いのマーモリウムはおすすめです。
採用製品
浴室(風呂・バスルーム)トイレ|サンワカンパニー
株式会社サンワカンパニー|sanwacompany ltd.
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真泉洋介
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:バルカ(バスタブ)

『葉山の住宅』では、シャワーなどの洗い場と浴槽を分けて設計しました。周りに排水口がない場所に床置きで浴槽を設置するので、浴槽の中で給排水が完結するタイプを探していて条件に合ったのがこのバルカでした。角度を振って配置しているので角が気にならないカクカクしていない形であることも必要で、丸みのある形状もぴったりでした。
採用製品
プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介

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