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一級建築士事務所 TKO-M.architects

住む人や使う人などとの対話に重ね、生活像や住まい方、生き方を話しながらその人ならではの住宅などを作っています。リフォームや、店舗や集合住宅、病院等もご相談ください。


住所: 東京都中野区中央1-20-15セントラルガーデン3F

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作品集

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■ 中野本町の住宅

本敷地は、中野区の古くからある商店街の裏手に位置し、まだ低層の古い木造家屋があって住民の息遣いを感じる路地に面する住宅の建て替え計画。
 長く住み慣れた2階建て木造住宅を解体し、1階を親世帯、2・3階は子世帯を迎え入れた重層長屋です。路地幅員を4m確保するために敷地は大幅に削られ、敷地はより南北に細長くなり、北側への採光確保と構造バランスが課題となりました。そこで、1・2階は門型フレームを並べることで壁を最小限に抑えつつ壁量を確保した壁式RC造に、3階はS造として建物重量を抑え、基礎を杭なしの直接基礎としました。
 長く住んでいる親世帯の1階は、今後も濃厚な近隣関係を維持できるように門型フレームで空間を仕切りながらも各部屋がそれぞれ路地に面するようなっています。さらに今後のライフスタイルや世帯の変化に合わせ、外壁の一部をブロックとして解体できるようにして将来的に賃貸住宅等に変更できる可能性を残しています。
 子世帯は、南側外階段から上がり、路地に開いたテラスアクセス型メゾネットとしました。路地の立体的延長として2階テラスが気軽に立ち寄れる場になると考えたのです。住戸内は門型フレームで緩やかに各場を作りながらエントランス、リビング、キッチンまでを連続した一体的空間としました。中央には吹抜けを設け、トップライトから光を落とすことで、採光確保と共に空間の広がりや中心性を持たせています。
 近くの古い商店街は他の地域と同様、小さな個人店舗が閉店してしまい、その後解体、いつの間にか中高層のマンションに建て替わることで近隣関係が失われていくというこの場の状況に、この家はまだ路地らしさを活かし住宅でありたいと考えました。

 

■ 本郷の住宅

敷地は南側に接道しているいわゆる都心の狭小住宅密集地。前...

■ 嬉野の住宅

近鉄名古屋線と近鉄大阪線が交差する伊勢中川駅の駅前は数年...

■ 藤森の住宅

 名東区の閑静な住宅地にある敷地は東西間口10m、奥行き24m...

■ 朝霞の住宅

 30年ほど前にミニ開発をされた住宅密集地の一角にあり、南...

■ 駒沢のマンション

 世田谷区駒沢にある築30年の中古マンションの1室(3階建て...

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ ゆるりと集う、ピロティのような玄関

昔ながらのご近所付き合いが色濃く残る、都内の下町に建つ住まい。狭い路地が入り組むこの地域では、お祭りや日常のあいさつ、助け合いが今も自然と行われています。
そんな場所に生まれ育ち、長年親しんだ住まいの建て替えにあたり、新しい住まいが町に馴染み、人や町と自然とつながるように設計した玄関です。

この住まいは2世帯住宅で、2階部分に子世帯の玄関を設けています。 ただの出入り口ではなく、「地域とつながる空間」として、建物の一部をピロティのように開放し、町の人々と共に過ごせるプライベートとパブリックの中間スペースをつくりました。
その玄関スペースにはベンチを備え、お茶やバーベキューを楽しんだり、地域のお祭りの際には、近所の人たちが自然と集まります。さらに、「家に入るほどではないけれど、ちょっと腰をかけて話す」…そんな日常の中の心地よい距離感を大切にした場所でもあります。 適度な奥行きもあるため、前面道路からの視線を和らげるバッファーゾーンとしての役割も果たし、室内では外からの視線を気にせずに過ごせます。
また、このベンチは靴箱と一体となった設計で、室内側から靴を収納でき、常にすっきりとした玄関を保てます。

この町では、今も近隣で醤油を貸し借りする関係が当たり前のように残っています。そんな町の空気感を大切にし、家族だけの空間ではなく、地域とともにある暮らしを育む場として、新しい住まいの中でも町と人が自然につながる風景が受け継がれていくことを願っています。

■ 吹き抜けを介して共有する明かりと家族の気配

何十年にもわたり代々住み続けてきたご家族が、長年親しんだ2...