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■ オオヤマコヤマノイエ

「オオヤマコヤマノイエ」は函館市の近郊、町の公共施設が点在しながらも周辺に木々があふれ、緑を満喫できるのどかな場所に建っている。
クライアントは日常生活の中で自然を感じられる空間を求め、この地を選んだ。

家づくりは、多趣味なご主人と小さな雑貨店を夢見る奥様のそれぞれの要望をどう実現させるかが大きなテーマとなった。約100坪の広い敷地に、エントランスを挟んで住居棟（オオヤマ）と店舗棟（コヤマ）をバランス良く配置し、各々の片流れの屋根が遠景の山々と視覚的に同化するような効果を求めながら、建築のプロポーションを決めていった。

住居棟の1階は、寝室、子ども室、水まわりなど、プライベートな個室で構成されている。玄関を兼ねる広い土間から階段を上がると2階にはＬＤＫがあり、広々とした勾配屋根のワンルーム空間に設けた大きな窓の外には、隣地の木々の借景が展開する。

店舗棟では、奥様の温かいお人柄に合うよう、内装は構造材をあえて現しとし、ご家族がDIYで塗装し仕上げることで、手の跡を感じる設えとした。

建物全体の素材としては、なるべくシンプルなものをセレクト。モダン仕上げの外壁とグレーの特殊塗装を施しLDKの壁が内と外の境界を曖昧にし、より一層周辺の木々と連携性を演出している。

穏やかな環境に包まれた温かいファミリーの暮らしに、ほんの少し自然のスパイスを取り入れることで、当たり前の日常により上質な豊かさを感じて頂けることを期待している。