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■ M邸

４人家族のための既存壁式RC住宅の増改築。既存は今回の施主の祖父が設計し1968年に建設された。仕事で不在が多い祖父が家族の安全を思い頑丈なRC造で建て、三世代に渡って住み継がれてきた家。祖父の目論み見通り躯体は今尚健全な状態だった。当初は建て替えの相談だったが、既存躯体の状態の良さ、RC住宅解体の費用等から建て替えと増築の両方を提案し増築の計画へと進んだ。

■ 南の庭のキッチン

『M邸』の増改築計画では南側に増築部分が位置しており、日当たりの良い庭とつながったキッチンを計画しました。
キッチンというと家の中で閉じた場所になりがちですが、この家では明るく、またキッチンに立つと既存の家の部分がすべて目に入り、家族の気配を感じられる場所になっています。
庭と空間の繋がりを感じられるように、室内の壁と屋外の壁をガラス一枚挟んで同じ木材の仕上げにしています。（写真3枚目にアップあり）
また屋外の自然光の変化などをキッチンでもより感じられるように、壁にシルバーを採用し、ガラス面から射し込む光の変化で壁の色味が変わって見えるように意図しました。
このように屋外と屋内の空間がつながるような工夫を仕込むことで、キッチンが庭の一部であり、大きな半戸外の空間のように感じる場となりました。