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REGION STUDIES(白坂隆之介建築都市設計事務所)

空き家改修やがけ地対応等、一般的な設計事務所や施工者には扱えない難しい条件も、蓄積した知見や独自の視点を活かして丁寧に解きほぐし、建主の要求に応え、常に瑞々しく永く愛される建築を設計します。


住所: 静岡県浜松市中央区鴨江4-19-40

TEL : 090-6242-0292
E-mail :shirasaka@region-studies.co.jp
URL : http://www.region-studies.co.jp/

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作品集

物件

■ がんばり坂の家

ヤドカリプロジェクト#1
木造2階建て・リノベーション・57㎡

住宅街の崖沿いに建つ小さな空き家のリノベーション。

三方原台地の縁に位置する非常に急な坂を登り、中腹で顔を上げるとこの建築に出くわす。改修前は、道路ぎわにそそり立つ擁壁に視界を阻まれて、坂の上から見下ろすまで家が建っていることにも気が付かないような状態だったが、突出していた玄関のボリュームを減築し、擁壁を半分ほど解体し、自動車の乗り入れができるようにするのに併せて、道路に対して建築を「少しだけ開く」ようないくつかの操作をした。
「開く」といっても、閑静な住宅街の一画で明け透けに室内を見せるような操作は無作法に思えたので、ここでは少し明るい軒下空間を道路に差し出す程度に留めた。玄関を閉じれば道路側はほとんど「壁」なので、「閉じている」という方がむしろふさわしい。

軒の一部を方杖で支えて一間分のばし、最も深い部分も暗くなりすぎないよう屋根にスリットを設けてある。ファサードは北向きなので直射光は射さないが、スリットからの天空光や周囲で反射した光を受けて、ガルバリウム素地の外壁が仄かに輝く。夜は、断熱材を充填した半透明の玄関引戸が室内の明かりを透過して発光し、沿道を柔らかく照らす。なお、耐震化・断熱化・躯体の状況確認の意図を兼ねて、外装材は一度全て剥がして仕上げ直している。
当初の空き家はシンプルな平屋のプランで、南側の庭に対して掃き出しの窓が並んでいた。垂れ壁や建具を撤去しワンルーム化することで、明るい庭に開いたこのシンプルな建築形式の豊かさを最大化し、どこからでも庭を感じられる、庭の一部のような室内空間を目指した。玄関引戸を開けるとすぐに視界は庭へと抜けていくように改修した。
従前の水平天井は落として屋根なりの勾配天井とすることで、上部に生じる余白の空間に陰翳を溜める。冬、南の庭側から入る日差しはフローリングに反射して室内を暖かく照らすが、上部は光が届きにくく、光の自然な諧調が生まれる。また、改修前は天井裏だった部分にロフトを設けており、視点場の変化も楽しめるよう意図している。


素材の選択に際しては、新旧がそれぞれ尊重し合えることを最も重要なクライテリアとした。既存を再利用する軸組の木材が粗い質感なので、新たに仕上げる部分も粗めのテクスチャを基本とし、勾配天井はラワン合板の裏面を使用、土間床は外構舗装でも頻繁に用いられるインターロッキングブロックとした。

 

・第5回浜松信用金庫ビジネスコンテスト・最優秀賞(コミュニティビジネス部門)(ヤドカリプロジェクト) 
・第6回日本エコハウス大賞・最優秀賞(自邸・モデルハウス部門) 
・2023年度グッドデザイン賞受賞・BEST100入選(ヤドカリプロジェクト) 
・2023年度グッドデザインしずおか金賞(ヤドカリプロジェクト)

Photo : 淺川敏|ZOOM

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■ 築58年小さな平屋の良さを引き出すリノベーション

築58年の住宅を新たな魅力ある住空間に蘇らせたリノベーション。
もともと平屋の小さな住宅は、細かな区切りが多く、南向きの大きな窓がありながらも屋外の雰囲気を感じることが難しいものでした。 そこで、リノベーションでは耐震壁を集約し、間仕切りを極力減らし、天井も撤去。ワンルーム化することで、どこにいても庭の雰囲気を感じられ、居心地の良い空間としました。特に、リビングと庭を結ぶ大きな開口部は、サッシの下枠を床よりも下に設けており、屋内外が一体化したような印象を与えています。
リノベーションでは、既存の柱と梁をそのまま活かし、古材ならではの少し荒々しい風合いを残したまま、新たに仕上げた勾配天井にはラワン合板の裏面を使用するなど粗めのテクスチャを基本とし、土間床は外構舗装でもよくに用いられるインターロッキングブロックを採用しました。
新旧の要素のバランスを大切にしながらも、それぞれの良さが引き立つ設計となっています。

■ まるで「開く壁」、白い半透明の玄関扉

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