酒井建築計画事務所
長野県上伊那郡飯島町の建築設計事務所です。
どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。
住所: 長野県上伊那郡飯島町飯島2336-1
TEL : 0265-86-5544
E-mail
:info@sakaia.com
URL : https://sakaia.com/
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■ 飯島の家
リノベーション
クライアントは70代のご夫婦で鉄骨造2階建ての建物で約10年前までスーパーマーケットを営業していた。閉店と同時に売り場部分を解体し、調理場、事務所、倉庫等のバックヤードとして使われていた1階は倉庫として、その2階を住居として使用していた。その1階部分を住居に改修する計画である。
改修の要望としては居間や食堂が個室化していたため、家族団らんの場所がなくなっており、奥様がつくる料理を家族4人で囲むことができる食卓のある家を求められた。
改修前の住居部分の平面図を見ると元々3世代が暮らせるように建てられたためか、6~8帖ほどの個室が並び長い廊下で繋がれていると同時に各室が隔てられているように感じた。同様に居間と食堂もその中に並んでいる状況から個室化してしまっているのではないかと思えた。また、1階に住居をつくるための課題として採光を確保しにくい状況であった。町の中心部のため敷地の南側も住宅が建て込んでいることと、店舗を営業していたときの車寄せの庇が1階への日射を遮っていた。そこでまずワンルームのLDKを文字通り家の中心になるように配置して、そこから個室、浴室、トイレ、玄関に直接アクセスできるようにすることで動線内にLDKが組み込まれ家族内のコミュニケーションを取りやすいようにしている。
採光については庇を透過性のある屋根材に変更し軒天を撤去すること、南面の開口面積を最大限確保して地面からの反射光も取り込めるようにした。さらに鉄骨造のメリットを活かし、LDKの壁は構造に捉われない曲面の壁を採用した。奥行きの深いLDKの北側まで光を導くためと要求諸室の必要面積を確保するためである。曲面壁は住居内を柔らかく仕切り、他の部屋にいる家族の気配を感じさせる。またLDKに死角ができずお互いに家族の様子が伝わる家族団らんの家となった。
クライアントはこの地で30年以上お店を営業していた。設計期間中もお店の思い出を何度も語られていた。特に印象強く残ったのが、現在の場所とは違う小さなお店で営業されていた時に1袋20kgもある食料品の在庫を2階に運んでいて大変だったが、新しいお店(現在の場所)に引越しされてからは在庫置場が1階にできたのでとても楽になったというお話であった。在庫置場はバックヤードの中心にあり、一度そこへ在庫を保管してから、売り場や調理場へ運んでいた。改修後は住宅の中心にLDKがあり、帰宅するとそこへ家族が集まり、夜になるとそれぞれの部屋へ移動する。
昔のお店の設えは改修によってなくなってしまったが、体験という記憶は残したつもりでいる。
Photo:SHUN FUKUDA
■ リノベで叶えた家族団らん!鉄骨構造を生かしたLDK
4人家族が住むこちらの鉄骨造の住まいは、以前食品スーパーを営んでおり、1階が店舗、2階が住居スペースでした。お施主様がご高齢になり、今回のリノベーションでは使っていなかった1階を家族が団らんできるリビングを中心とした住居にすることを望まれました。
1階にLDKを設けることで、最も心配されたのは光の取り込みでした。周囲に住宅が建て込み、特に冬場は直射日光がほとんど入らない環境。さらに、南外壁面には旧商品搬入口の上部に既存の大きな庇があり光を遮っていました。室内に光を効果的に取り込むための工夫がリノベーションの大きなポイントとなりました。通常、窓際の大きい柱に沿って間仕切りを作りますが、そうするとLDKが小さく、ウナギの寝床のような奥行きの深い空間となり、部屋の奥にまで光が入りません。そこで、鉄骨造であることを生かし、LDKの両サイドの壁を曲線で作ることで、LDKと隣室の面積を調整しながら、LDKの南側に広い窓も取れる設計としています。
さらに、壁には本漆喰を採用することで、窓から取り入れた光が壁に柔らかく反射しながら部屋の奥まで届きます。加えて、日差しを遮る庇は光を通す素材に換えることで、さらに明るい空間が実現しました。
また、家族それぞれの居場所も確保していますが、それらを緩やかに区切ることで、自然と会話が生まれる空間を作りました。
大胆なデザインで明るさが生まれ、家族が団らんできるリビングとなりました。