下崎建築設計事務所

住所: 長野県長野市平柴660-1

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作品集

物件

■ KAさんの別荘

敷地は信濃町・黒姫山麓の豪雪・寒冷で知られる別荘地であり、杉と雑木が生い茂る傾斜地、通りから細い砂利道を登った静かな場所です。設計依頼時に渡された「建て替え計画書」をもとに設計はスタートしました。「計画書」には施主の明確なビジョン(工程・予算・要望)が詳細に記されており、その一つひとつを紐解きながら打ち合わせ、提案、検討を繰り返していきました。私の設計理念には、敷地環境と予算を踏まえたうえで、施主の要望は基本的に全て叶えることを第一義とし、そこに施主と一緒に考える「プラスα」を加えたいという思いがあります。今回の「プラスα」は、「小さな山荘内に空間のメリハリをつくりだす」ということでした。具体的には、リビング・ダイニングといった大きなメイン空間と、ロフトや寝室・エントランス・水廻り等のサブ空間を繋ぐ際に、床高・天井高を大胆に変える(或いは変えない)、床・壁・天井仕上を変える(或いは変えない)、間仕切りを設ける(或いは抜く)という操作により、其々の空間との間にメリハリを持たせてその変化(或いは統一感)を楽しむことができるようにすることでした。施主との二人三脚的な設計監理作業は、厳しくも楽しい時間でした。

 

第2回 JIA長野建築賞 2023 『 黒姫の山荘(KAさんの別荘)』が入選しました

■ YKさんの住まい

施主さんの新居計画へのご要望を咀嚼し、幾度にも渡る打ち合...

■ ASさんの住まい

夫妻で東京都内から長野県須坂市の、畑を備えた広い土地へ移...

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ 地元の木に触れ土間でつながる、家族を育む住まい

子育て世帯にとって、「子ども部屋をどうつくるか」は、広さや配置、仕切り方などがポイントとなります。今回の住まいは、子ども部屋で過ごす時間が少ないということもあり、子ども部屋を抑え、あえてつくり込みすぎない設計としました。

子どもが自分の部屋で過ごす時間は限られているということを踏まえ、将来必要になるスペースは用意はしながらも、個室のような間取りではなく、家具や収納などを使って仕切る柔軟な設計としました。住まい全体はオープンで、可変性の高い構成です。あわせて1階も小さく区切らず、LDKをひとつながりの大きな空間にすることで、家族の動きや気配が自然と伝わる伸びやかな暮らしを可能にしました。

このLDKで特徴的なのは、玄関からつながる土間です。
庭と玄関、室内とのあいだに設けることで、土間を介して南側の庭と室内がつながり、外と内を自由に行き来できる、開かれた空間です。玄関や庭から靴を履いたままやり取りができる便利さもあります。

開いた設計に加え、素材選びもこだわっています。
地元長野県産の杉を活用することで、住まいの心地良さだけでなく、地域の山の保全にも配慮。木を使うことで、林業や製材業といった地域の産業を支えることにもつながります。山に手が入り、持続可能な循環が生まれるという考えから、地元の木材を積極的に採用しています。
県産材を表で使うことで、木そのものの美しさや質感が室内にやわらかな雰囲気を与え、空間全体にあたたかみが生まれます。無垢材ならではのあたたかさや足触りのやさしさには、やはり違いがあります。特に寒さの厳しい長野では、その心地よさが暮らしの質にも大きく関わってきます。小さなお子さんがいるご家庭なら、日常の中で自然に本物の木に触れながら育っていく環境をつくってあげたいですね。住まいに“親しみやすさ”をもたらす素材として、無垢材はやはり大切にしたいと考えています。
地域の自然とつながりながら、子育てや家族の暮らしにそっと寄り添う…そんな、やさしさに包まれた住まいです。