CONTAINER DESIGN
コンテナデザインは、シンプル且つ機能性や住みやすさを兼ね備えた、誰もが居心地がイイなと思える家づくりを目指します。
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-14大島ビル306
TEL : 078-335-5795
E-mail
:info@cd-aa.com
URL : https://cd-aa.com/
コンテナデザインは、シンプル且つ機能性や住みやすさを兼ね備えた、誰もが居心地がイイなと思える家づくりを目指します。
住所: 兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-14大島ビル306
TEL : 078-335-5795
E-mail
:info@cd-aa.com
URL : https://cd-aa.com/
■ 余白
「余白」
敷地は兵庫県神戸市内。南側に交通量の多い幹線道路が通る。
街路樹と店舗の軒先が単調に連続している街並みの中に住宅を計画するにあたり、軒のあり方、道路と歩道との関係性を再考し、密度の高い街の中で、行き交う人達に圧迫感を与ない空気のような居場所ができないかと考えた。
具体的にはまず、ボリュームを歩道いっぱいまで建築するのではなく、軒先のみを隣地と揃えながら、セットバックさせた。1階RC造、2、3階木造の混構造3階建てとし、1階はボリュームを敷地中央に凝縮させることで、全体の浮遊感を演出し、上部もボリューム操作により圧迫感を軽減させた。軒は奥行2,275mmのキャンチレバーとし、見付は215mmに抑え、軽やかな表現としている。さらに軒上と軒下には植栽スペースを設け、立体的な庭とすることで、街の中にぽっかりとした「余白」を生み出し、喧騒を受け止めるような懐の深い設えとした。
1階の外部空間は、駐車スペースと機能を限定しないフレキシブルなスペース、内部空間はエントランスと収納、2階にはLDKと水廻り、3階に家族の居室という構成にしているが、
内部も「余白」の延長として捉え、強固な壁で仕切るのではなく、吹抜や枝付き丸柱等が弱い領域性のみを生み、その中に家具や浴槽が置かれ、初めて空間に機能性が見えてくるような空間作りを行った。
2階の南側、東側に大きく開口をとり、光や風を内部に十分取り入れながらも、「余白」が街との緩衝帯となり、両者を緩やかに関係づける。敷地は準防火地域内であるため、内外の境界には燃え代を含む化粧柱を配しているが、その比較的広い柱幅を利用し、サッシの枠、縦框が内部からは見えない納まりとした。さらに耐力壁には鉄筋ブレースを採用、内装はモルタル系の左官仕上げとする等、内外を差異化させる要素を可能な限り削ぎ落し、街、余白、内部がシームレスな関係となることを目指した。
合理的で無駄がなく、どこか窮屈ささえも感じる街の中の限られた敷地面積の中で、「余白」により家はどこまでも自由でおおらかな場所となり、自他共にホッとする安心感を与えてくれる。
■建築地 :兵庫県神戸市
■用途 :住宅
■構造・規模:木造+RC壁3階建て
■敷地面積 : 85.28 m2
■建築面積 : 52.48 m2
■延べ床面積 : 113.15 m2
■1階床面積 : 31.39 m2
■2階床面積 : 47.61 m2
■3階床面積 : 34.15 m2
■外壁 :RC打放し・窯業系平形スレート貼
■屋根 :窯業系平形スレート葺
■内部床 :モルタル系左官仕上・オーク
■内部壁 :左官材吹付
■内部天井 :左官材吹付
■浴室 :モルタル系左官仕上
■キッチン :造作カウンター・WARENDORFキャビネット
■撮影 :冨田英次
■ 植物と暮らす ~家族の“好き”が重なる住まい~
細い通路の奥に住居スペースが広がる旗竿地に建つ住まい。
「植物と一緒に暮らせる、広くて日当たりのいい住まいにしたい」。これがご夫婦の最初のご要望でした。旗竿地に住まいと駐車場、ビニールハウスを設けたいということもあり、詰め込みすぎると無理が出てしまいます。そこで「植物とどう暮らすか」を軸に土地をじっくり見つめ、「植物が育ちやすい場所」「気持ちが良い場所」…など、土地に素直に従い、 無理に工夫を詰め込まないことで、無理なく、長く暮らせることを大切に設計をしました。
住まいでは、「植物との暮らし方」が重要でした。
特に温度管理や日照条件など、細やかな環境調整が欠かせない植物の環境と、暮らしをどのようにつなぐか…。そこで、2階では屋内と屋外の間に「バッファゾーン」を設けることで、植物が育ちやすく、かつご家族にとっても心地よい温熱環境をつくりました。開口部は、気密性を高めるため、2枚のサッシで構成。湿度や温度の調整がしやすく、植物にとっても快適な環境を整えています。
1階のリビングに沿って設けたL型の広い土間スペースでは、植物の手入れを行ったり、くつろいだり、子どもたちが遊べたりと、家族が思い思いに過ごせる場所です。
この土間空間に設けたポリカーボネートの扉は、すべて開けると屋外のように。閉めると屋内の一部となり自由に調整できます。さらにポリカーボネートのおかげでカーテンなしで快適に暮らせます。
1階リビングと2階植物スペースをつなぐ階段には、読書が好きな奥様のために大きな本棚を設置。ご主人が植物の手入れをしている横で、奥様が本を読んだり、お子さんが遊んだりと、近くにいながらも思い思いの時間を大切にできます。
植物を育てるご主人、本を愛する奥様、遊び盛りの子どもたち…それぞれの時間を大切にした日常を受け入れる家づくりで、好きと暮らしを丁寧に実現した住まいです。
Photo : 冨田英次