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FAR EAST

住所: 東京都渋谷区代官山町11-13 植木ビル4A

TEL : 03-6313-6765
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URL : https://archi-fareast.jp/

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■ 崖の上の終の棲家


クライアントは60代半ば、一人暮らしの男性。福島県郡山市、北側には桜の木と小学校のグランドが広がる崖上に建つ小さな住宅です。要望はシアタールーム・コンクリート打ち放し・らせん階段の3つ。年齢を考慮すると、1階を生活の中心に据えるのが常識です。しかしいくつかの制約があるために1階を主生活の場とすることは断念しました。
ひとつめは最大高低差4.6mの崖による制約。崖条例により、建築できる範囲の制約を受けました。ふたつめは、除去された放射線汚染表層土の埋設範囲による制約。その他高低差解消のためのスロープ・駐車・駐輪場を確保することによる制約。
結局、1階として建築できる面積は小さくなります。一方、単身なので空間の機能として必要なものは少ない。実質的な面積配分から、1階は防音機能のあるコンクリートの箱にシアタールームを収め、その横に土間の玄関スペース、生活空間は2階に展開しました。2階の生活空間の面積を確保するために2階コンクリートスラブを跳ね出して、面積を広げています。そこにLDKらしきもの・寝室らしきもの・トイレ+洗面S・脱衣S+UBの機能を配置。2階スラブ上の「家」として認識しやすい形態をした木造空間は、光と風と眺望を確保する中庭的なバルコニーを挟んでLDKから寝室まで一体感のある空間構成としています。
この一体化された空間は絶対的な機能の制約を受けない流動的な空間です。時間の流れとともにクライアント自身が何かを発見し、構築していく空間なのです。
崖の上というリスクを許容し、かつ老後を考慮した完全なバリアフリーにもあえてしていない。「終の棲家」というよりは、この場所の持っているポテンシャル(眺望を含む環境)とこれからの人生を楽しむことを最優先してクライアントの理想を形にした「'遂'の棲家」です。ここに住む、そういうクライアントの強い意思が崖の上に屹立する外観からも感じられる、そんな住宅です。

■ 中庭から入る都心の平屋

緑の多い静かな住宅街に位置する住まいです。 終の棲家を計...