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洲崎洋輔建築設計事務所

住所: 千葉県市川市 

E-mail :info@szkarchi.com
URL : https://www.szkarchi.com/

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■ 北本 旧中山道の家

街道に面した「開かれた中庭」

三人家族と祖母の二世帯住宅。

建主の要望は、将来的な長いスパンで、子世代、孫世代へと世代を超えて住み継ぐことのできる家。

敷地は旧中山道に面する場所で、並走するJR高崎線、北本駅と鴻巣駅の中間に位置する。街道は古くから地域の発展と人々の生活の軸としてあった。敷地の奥には竹林が広がり、南側は飲食店の駐車場、西側は住宅、正面は交通量の多い街道と、周囲に晒された視線の多い雑多な雰囲気を持つ場所である。

都市的な要素のこの場所で世代を超えて住み継ぐ家として、二戸の住宅と、街に面した開放的なピロティで庭を囲う「開かれた中庭」を持つ平屋の住宅を考えた。

全体構成は共用エントランスとしてのピロティから、中庭を中心に各部屋を数珠つなぎに配置している。諸室が雁行しながら中庭を囲うことで、中庭には大きな庭と小さな庭のような特性が生まれ、住戸同士は直接見合わず、部屋に応答した小さな庭を望むことで、なんとなく互いの気配を感じ、「間接的に見守り合う住まい方」が生まれることを目指した。 「開かれた中庭」によって少し公共的な装いを持つ住宅が、変わりゆく社会や将来的な家族構成・用途の変化を受け入れ、街の風景とともに未来へと住み継いでもらえる家となることを期待している。

■ 中町の路地 / 中町テラスハウスの改修

1988年竣工のテラスハウスにおける一住戸の改修。一般的な核...

プロの住宅レシピ

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■ 山型の屋根がつくる、二世帯と街の心地よい距離感

敷地は旧中山道に面した、少し雑多な環境。周囲からの視線も多く、決して静かとは言えない立地条件の中で求められたのは、同じ敷地で暮らす二世帯が、互いに気兼ねなく、心地よく過ごせる住まいでした。

そこで、中庭形式の平屋住宅とし、玄関前に駐車場としてだけでなく多目的に使える大きなピロティを設けることで、閉じた中庭ではなく、半分は街とつながる「開かれた中庭」を計画しました。
ピロティが二つの住まいをつなぐ構成として、ピロティを起点に、左手には子世帯、正面には親世帯の住まいを配置し、山が二つ連なるような形状の大きな屋根の下に、リビングやダイニングキッチン、和室がゆるやかにつながります。ピロティは大きなエントランスホールのように雑多な街と住まいとの緩衝空間として機能し、自然な動線でそれぞれの住まいへアクセスできる構成としました。

建物の平面計画は凹凸を持たせ、あえて死角となる部分をつくることで、世帯間の視線が重ならないように配慮しました。各居室は中庭に向かって開きながらも、窓の位置や植栽によって視線をやわらかく遮る工夫を施し、同じ敷地に暮らしながらも、二世帯それぞれの独立性を保っています。

外観で採用した山型のデザインは、内部空間にも連続しており、梁の配置や天井に抑揚をつけることで、リビング・ダイニング・キッチンを一体としながらも、視覚的に領域を分けています。
内部と外部、二つの世帯、住まいと街がつながりながらも、山型の形状によって、ほどよい距離感を生んでいます。

つながりと独立性のバランスを丁寧に設計することで、二世帯が気兼ねなく暮らせる住まいとなりました。

Photo:中山 保寛