古墳の向こうに空が見える家

作品紹介

「街との距離を調整する半屋外の緩衝帯ファサード」

三重県の郊外の街に、夫婦と子供2人、犬1匹が暮らす住宅を計画しました。

敷地は3方向住宅に囲われ南側は交通量の多い道路に接しています。道路の向こうには標高30mくらいの古墳があり樹木に覆われています。恵まれた条件の景観なのですが標高30mの古墳までの水平距離が近すぎるため計画敷地の地盤面レベルでは日照を得るのが難しい状況でした。

 

はじめに生活の中心となる空間の地盤面からの高さと古墳までの水平距離を調整し「古墳越しに空が見える」位置を探してちょうどいい場所に配置する事にしました。

次に交通量の多い前面道路からの視線を遮りながらも、古墳の樹木を眺めながら生活できるように主となる空間を凹形に下げる事にしました。

景観と日照の面から生活の中心となる空間を地盤面から上げる計画としたため、日々の生活と街との関係が希薄になってしまわないように、前面道路側に外のような内のような空間を計画しました。この半屋外の空間は施主が希望していたボルダリングのトレーニングをするスペースとして使ったり、将来的に教室やお店として街とつながる空間に転用できるような余白としての空間です。

1階は余白としての半屋外スペース、2階は屋根のかかった大きなベランダとしての半屋外スペースを、前面道路に対しての緩衝帯とすることで日々の生活と街とのちょうどよい距離間を調整できたらいいなぁと思っています。

 

凹んだ空間に少し籠った感じで古墳の樹木を眺めながら生活出来る楽しい家になりました。

 

Photo : 星野裕也

 

作品データ

所在地: 三重県

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