目黒八雲の長屋

作品紹介

東京・目黒の閑静な住宅街の旗竿敷地に建つ、地下1階・地上3階の長屋の計画である。地上部分は周辺環境に合わせ3棟の分棟形式とした。

吹き抜けのメゾネットやトップライトのあるフラットなど、住戸面積は小さいが広がりのある多様な住戸で構成した。周囲と居住スペースを皮膜一枚で分断するのではなく、敷地内通路、ドライエリアおよび外部階段、縁側スペースといった空隙の帯が重層的に居住スペースを取り巻き、段階を経てグラデーショナルに周囲から距離を取っている。

これらの層が連続しながらも、柔らかく区分することを可能とした、パネル状のカーテンで仕切られた「四辺縁側」は、居住スペースを周囲に拡大したり、逆にプライベートに集約したりすることを可能とする。

構造的には、戸境内壁に建物の背骨として鉛直リブの役割を負わせ、床スラブがなくとも外周耐力壁面外の安定性を確保できるようにしている。その結果、床面の大胆な吹き抜けと、窓としての大開口を設けることが可能となった。

都市住民のライフスタイルに合わせて周囲との関係を段階的に、自律的に調整できるこの構成は、都市に対しダイレクトな接続性を持つ長屋において、新たな形式の住まいの提案である。

 

Photo : Kai Nakamura

作品データ

所在地: 東京都 目黒区

延床面積: 572.11㎡

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