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陶芸家のアトリエを併設した古民家の改修 | 土田の民家

作品紹介

陶芸家と料理家の夫婦、幼い子供たちの4人家族のための住宅。クライアントは新しい生活の拠点とする岡山で、茅葺き屋根の古民家を購入し改修して住むことにした。 敷地周辺には同じく茅葺き屋根の上に金属板を葺き、現代まで住まれている古民家が数軒点在している。

元々は農家の為の住まいとして作られたこの住宅は、数度の増築や改修によって少し窮屈な印象の空間になっていた。そこでこの地域の民家の持つおおらかな雰囲気を取り戻し、民家の在り方を継承した上で、現代的なライフスタイルに合うように大きく間取りを変更し、古い、新しいという枠組みを超えて、現代における民家の形をこの家族を支える生活の器として蘇らせたいと考えた。

 

夫婦は仕事上の来客が多く、日々の生活と仕事が連続した暮らしをしていた。 陶芸家である夫は、日中はアトリエで制作を行い、作品を直接見にくる来客の対応がある。妻は人を集め、大勢にご飯を振る舞う機会も多い。

そこで制作や来客のスペースである土間・畳間、日中の生活スペースである広間、就寝する寝間の3つのスペースとして再構成した。土間と広間部分は3枚引戸で仕切られているが、その建具を開け放つと50畳ほどの一室空間となる。屋根形状に沿った寄棟形の天井は頂部で4m程あり、非常に大きな空間である。住宅としての機能を超えた、仕事場のようでもあり、地域の集まりの場にもなるような自由で新しい未来の住まいのかたちを考えた。

 

建物竣工時に全てを完成させるのではなく、住みながら考え、その時々で適切な暮らしができることを第一に考えた。子供達が小さいうちには子供部屋は作らず、必要に応じて将来、既存の構造材を利用して簡易に部屋を間仕切れるような構成とした。夫のアトリエを敷地内に併設し、土間部分を子供部屋としても使えるよう想定しており、将来のライフスタイルの変化に対応できる形としている。

 

第25回 ぐっとずっと。エネルギア住宅コンテスト リフォーム住宅部門 最優秀賞
WOODONE 空間デザインアワード2023 優秀賞
グッドデザイン賞 2022

Photo:山内 紀人

建築前の土地

作品データ

所在地: 岡山県

延床面積: 125㎡

作品集

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