プロの住宅レシピ 日光を遮りながらも明るく!快適に暮らす家づくりの工夫

石塚和彦アトリエ 一級建築士事務所
石塚 和彦
外壁材・デッキ材

健康上の理由など様々な事情から「室内に直射日光を取り入れたくない」という要望もあります。
「外から窓を見せたくない」「直射日光を入れたくない」というご要望から、この住まいの設計は始まりました。
南側の開口部を絞り込み、自然光の取り込みを最低限にするため、窓外壁面にルーバーを配置し、奥に小さな坪庭を設けました。さらにその奥に窓を設けることで、まず光はルーバーに当たり、壁に反射して間接的にリビングやダイニングへと入ります。直接的な光とは違い、影と光がグラデーションを描くような柔らかな空間となり、カーテンがなくても暮らせるので、開放的な印象さえあります。
この柔らかな光と影が活きるよう、リビングの壁は少し黄色みを帯びた白色で塗装し、梁や木材の家具にはさりげない凹凸をつけるなど、ディテールにもこだわりました。インテリアの影と外壁のルーバーからの光と影が室内で絶妙に組み合わさり、時間の変化とともに様々な表情が生まれます。
外壁には油分が多く、耐水性、耐久性に優れた屋久島地杉を採用しています。屋久島の間伐材を有効活用した木材で、環境に配慮された製品です。塗料には「エコウッドトリートメント」という特別な塗料を使用することで、日光による経年変化でグレーがかった深みのある風合いへと変化し、年月とともに変化する住まいは、住む人にとっても楽しみの一つとなっています。
日光を大きく取り入れなくても、この住まいのように窓の設け方、光の取入れ方の工夫により、閉鎖的にならず快適な暮らしができます。

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採用されている製品

各種防火処理木材・木質建材|チャネルオリジナル
チャネルオリジナル株式会社
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石塚 和彦
ここが私の評価ポイント!
屋久島特有の環境や土壌は、雨が多く養分餌が少ないので木が締まり(身が締まるイメージ)、木の油分が他の杉の約6倍あるといわれていて、木自体がオイリーでずっしりした重さがあるため、水に濡れても腐食しにくいです。一般的な杉の外壁材は、どうしても痛みやすくメンテナンスを重ねることが多いですが、この製品は変色はあっても長持ちします。 屋久島の地域をみたときに、島の中で縄文杉などの大きな杉を守るために間伐して森林管理をしないといけないのですが、間伐した杉は使い道が無く、チップや薪など安価なものにしかできなかったそうです。それを価値のあるものに製品化したことで、屋久島の林業や雇用、屋久島の自然保護につながっているとのことで、自分も若干でも協力できるかなということもあって採用しています。 何より製品の質が良いということが前提で、プラスでこれらの良い面がたくさんあるので採用しています。
採用製品
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石塚 和彦

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