プロの住宅レシピ 町から家へ、車いすも安心なバリアフリーの住まい

株式会社 井川建築設計事務所
井川 一幸

大きな軒で雨の日も塗れずに車いす移動ができる。

玄関からつながる回遊する廊下。

中庭を中心に回遊できる。

夜の外観。

車いすを使う家族のためのバリアフリーの住まい。
こちらの住まいは街づくりのため、「アクセスを道路から1本にすること」「宅地道路側に緑地を取ること」と、この2つの条件をもつ敷地でした。
しかし今回、車椅子で生活する中で、どうしても道路から2本のアクセスが必要でした。そこで市に相談をして、緑地の一部を アスファルトではなく砂利敷きにすることで了承頂き、車が回遊できるようにしました。家全体の軒を深くすることで、雨の日でも濡れず車いすが車から乗り降りできるように設計しています。

玄関を入ると、スロープから室内へと繋がります。家の中心にある中庭を介して回遊できる廊下があり、回遊動線の中に各部屋を設けているので、 移動がしやすくなっています。
バリアフリーの住まいでは、住まいの中の高さやスロープの問題だけでなく、町から家に入るまでを含む、全てのバリアフリーを検討、提案しています。

地域によって敷地にルールがある場合があります。そのルールの中で、それを解消できる方法があるので、「本当に必要なことやりたいことが何なのか。」を大切に諦めず、相談して欲しいと思います。
きっと町にとっても、住む人にとっても快適であることが、町づくりで欠かせないことだと思っています。

Photo : 石井雅義

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井川 一幸

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