プロの住宅レシピ 1室4役!無駄をなくし使いやすさ追求した浴室兼トイレ

辻 久・辻 奈穂子
通常であれば浴室・トイレ・洗面・洗濯スペースがそれぞれ個別に分かれるところを、こちらの住まいでは一つの空間に設けています。
各スペースを設ければ4つの空間とドア、各スペースに必要な窓や照明などが必要になりますが、一つの空間にすることで、無駄なスペースを省き、限られたスペースを有効活用。さらに建築コストを抑えるというメリットもあります。
水まわりを一体化するにあたり、最も重要になるのが防水・防湿対策です。ここでは、壁や天井に屋外用の耐水ボードを使用し、すべてを白く塗装することで、明るく清潔感のある空間に仕上げました。床にはコンクリートを採用し、さらに床暖房を組み込むことで、冬でも快適に過ごせる設計となっています。
また、高窓を設けることで自然光を取り込み、明るさを確保。白い壁や天井が光を反射し、より広がりを感じます。
水まわりの設備も、機能性とシンプルさを重視。例えば、シャワーのカラン(蛇口)は浴槽の給湯と洗い場の両方に使える位置に設けることで、設備の数を最小限に抑えながらも実用的です。目立ちがちな給湯器や床暖房のリモコン類はすべてキッチンのパントリー裏に集約し隠すことで、空間の雰囲気を守りました。
住まい全体のデザインコンセプトに合わせ、ドアには昔ながらの真鍮製の握り玉を採用するなど、クラシックな雰囲気をプラス。全体を白で統一しながらも、クラシックとモダンの要素を融合させました。