プロの住宅レシピ 斜材が包む、強くてやさしい住まい

佐河雄介建築事務所
佐河 雄介

「可愛い家に住みたい」というご希望から、白い外壁を基調としたデザインへ。

リビングから庭へと続く三層の空間。中間層は斜材に囲まれた半野外のような空間。

室内にも小窓を設けるなど、生き物と一緒に楽しく住めそうな雰囲気に。

木造住宅の中でも最も強度上げながらも、自然が大好きなお子さんのために外へとつながるようなデザインへ。

現在は庭に緑が生い茂っている。

「なにより強い家をつくってほしい」。
震災を経験した地域ということもあり、お施主様の希望に応えるべく、構造的強度を求めて斜めの筋交い(斜材)をデザインに取り入れた住まいです。
斜材を外周部すべてに施すことで、壁と同等の耐力を持たせ、窓がひとつもない家と同レベルの強度を確保しながら、光と風が抜けるオープンな住まいを実現しました。

この住まいでもうひとつ大切にしたことは、自然との共生です。
庭には多くの緑が生い茂り、リビングと庭のあいだには、中間層となる斜材に囲まれた半野外のような空間が広がります。生きものが大好きなお子さんの、虫や小動物を観察・研究する場にもなっています。
リビングからは、開口越しに緑豊かな庭を眺めることができ、まるで自然と一体になったかのような心地よさが広がります。5メートルの特注カーテンは一枚で開閉できるよう設計されており、内と外のつながりをダイナミックに楽しめる空間となっています。

構造的な強さを追求しながらも、外とつながるオープンな設計とすることで、お子さんの興味や好奇心を育む豊かな暮らしを実現しました。
構造と安心、暮らしと遊び心。これらが調和し、強さとやさしさを兼ね備えた住まいとなりました。

Photo : Yosuke Harada

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