プロの住宅レシピ 視線を調整し緑道に開く、土地条件を活かした住まい

株式会社コニシ建築設計事務所
小西 昌太

プライバシーを守りながら、緑道に面してた環境を最大限生かし、自然を満喫できる住まいへ。

擁壁と建物との間を壺庭のような扱いとし、趣味のガーデニングが楽しめる場所へ。

外壁

玄関から見た外観。

2階LDKから見る緑道。

敷地は、玉川上水沿いの緑道に面した、自然豊かな場所。
お施主様からは「南側の緑道に面した環境を最大限取り込みながらも、人通りの多い緑道からのプライバシーは守りたい…」というご希望がありました。さらに南側緑道と北側の法的な道路との高低差が約3mあり、仕様が特定できないL型の古い擁壁が敷地内部に大きく食い込んでいるなどの制約がありました。
これらの複雑な敷地条件をふまえ、1階は新たな擁壁を兼ねたコンクリート造とし、2階は地盤への荷重負担を抑える意味から木造という混構造の形式となりました。外観だけでなく構造や用途の違いもできるだけ上下階で明快にして、それぞれの素材感が際立つデザインとしました。

また象徴的なのは、緑道と向き合うための装置となる塀です。一見すると境界ぎりぎりに立てた塀に見えますが、実際には建物の一部であり、地盤からは浮き上がった構成となっています。単なる目隠しの塀ではなく、上下階をつなぐ光や風、視線といった内外を柔らかく調整するフィルター装置でもあります。
目隠しとして設けたルーバーは上下でデザインを変え、上部はポリカーボネートを組み合わせたルーバーで、視線をしっかり遮りながらも、室内から見るとやわらかな光が透けて見える設計に。下部は隙間を密にしたルーバーで、通風性を高めています。

更にガーデニング好きなお施主様の趣味を反映し、既存の擁壁と建物とのあいだに壺庭のような小さな庭を計画。室内からも緑を楽しめるように配置しました。
複雑な土地の特性を見極め、良さを引き出した外観デザインとなっています。

Photo : 和知 勝

シェアする

採用されている製品

金属サイディング|アイジー工業株式会社
アイジー工業株式会社(IG KOGYO Co., Ltd.)
株式会社コニシ建築設計事務所
小西 昌太
ここが私の評価ポイント!
金属スパンドレル系のもので、施工性が高く継目が目立ちにくいことと、遮熱性能があるのでおすすめです。 標準品のみで配置計画ができればコストも抑えられると思います。
採用製品
株式会社コニシ建築設計事務所
小西 昌太

他の家づくりのアイデア

プロの住宅レシピ カテゴリ