プロの住宅レシピ 田園の風景を纏う、時間と共に育つ家

藤山敬晃
「日々の暮らしがワクワクする家にしたい」──そんな住み手の想いに寄り添いながら、楽しさと心地よさが調和する空間をかたちにしました。
大きなテーマは、周囲の自然環境と調和し、田園風景や畦道が家の中にまで続くような設計。外に出れば広がる穏やかな風景が、家の内部にも溶け込むように配慮されています。リビングの書棚には、柔らかな曲線(アール)が取り入れられ、空間に自然な流れを生み出します。アールのデザインによって、住まいの中に新たな使い勝手や広がりが生まれ、家全体に柔らかな印象を与えています。
また、時間がもたらす変化を楽しむ家でもあります。モルタル仕上げの外壁、無垢材のフローリングなど、素材が持つ質感が経年変化を感じさせ、住む人と共にその魅力を深めていきます。時間の流れにより、家はさらに愛着を感じる存在となり、住むほどに深みを増していきます。素材とデザインの調和が生み出す、洗練された美しさと温かみを感じる住まいです。