プロの住宅レシピ 古材を活かして育む、リノベーションの住まい
今回のリノベーションでは、インテリアや植物、照明などを取り入れながら、住まいを「育てる」ことをコンセプトに設計しました。古い柱や建具を再利用するなど、リノベーションならではの制約を楽しみに変える工夫が、暮らしにさらなる豊かさをもたらしています。
築年数がかなり経過していたことから、耐震補強をしっかり行いながら、できる限り既存の柱や梁といった構造を残すことを大切にしました。さらに、ゼロに近い状態だった断熱性能を上げるため、自然素材からできた断熱材「ウッドファイバー」を屋根や外壁に採用。環境にやさしい方法で断熱性を高めています。ウッドファイバーは防音効果も得られます。
2階のコンパクトな3DKだった間取りは、壁を取り払い、開放的なワンルームのLDKへと更新しました。
リビングを中心に、木材や土壁、塗装といった自然素材を取り入れ、ナチュラルな雰囲気に仕上げています。モルタル調の雰囲気がお好みということで、床材には下地用のフレキシボードを採用しました。木造の2階では、モルタル仕上げにすると構造上の揺れや歪みによってひび割れが生じやすく、施工や維持が難しいという課題があります。そこでは、モルタルの代わりにフレキシボードを使うことで、モルタル調の質感と雰囲気を出しながらリスクを軽減。施工性やコスト面にもメリットがあり、木造2階でも安心できるモルタル風の空間を実現しました。
一方で、木と白い壁、コンクリート調の床だけでは少し無機質な雰囲気になるため、大きなワンルーム空間に厚みのある素材でつくった間仕切り壁をプラス。空間に重厚感とアクセントが生まれました。
異なる種類の木材を組み合わせることで、単調さを避け、調和のとれた空間に。様々な自素木材の重なり合いが、暮らしの中に新たな発見をもたらしてくれます。