プロの住宅レシピ 光と水で涼を招く、くの字の住まい

原浩二建築設計事務所
原 浩二

玄関の引き戸を開けると広がる土間空間。左右にLDKと寝室がつながる。

段差のある敷地形状を活かし、下がった場所は籠り感のある寝室スペースに。陰影を活かすことで住まいに距離感を生みだした。

大開口のあるLDK。コンクリートテラスには中央に緩やかな勾配をつけることで水を薄く張れる設計に。

細いパイプを曲げて造作したRの形状のダイニング照明。パイプの中に配線を通すことですっきり美しく仕上げた。

洗面ボウル

住まいの動線にある洗面台は家具のような美しさを感じる。

この住まいは「くの字」に曲がった形を持ち、敷地内に約60cmの高低差があります。その形状と段差を活かして室内を構成しました。
玄関土間を入ると、左右に寝室とLDKスペースが分かれます。リビングと寝室の間には段差を設け、その上に子ども部屋を配置することで、平屋のような要素と2階建ての要素を組み合わせた構成としました。

一段下がった寝室は小さな窓から光を絞り込み、洞窟のような落ち着いた雰囲気をつくります。一方で、一段上がったLDKには大きな開口を設け、開放感を。こだわりの木製の造作サッシは引き込み式にすることで外部に向かってフルオープンにできます。
その先のコンクリートテラスには中央に緩やかな勾配をつけ、水を薄く張れる仕掛けを施しました。夏場には打ち水効果で涼しさが室内に流れ込み、水に反射する光が軒下や室内にきらきらと映し出します。自然の力を活かし、暑さをやわらげる工夫のひとつです。

また、くの字に折れた空間の一角には洗面台を配置しました。一般的には脱衣室の中に収めることが多い洗面台ですが、この住まいではあえてLDKと寝室をつなぐ生活動線上に設置しています。中央に置くか端に寄せるかで、家全体の雰囲気や動線は大きく変わります。「暮らしの一部を隠さない」という考えのもと、洗面台は家具の一部としてデザイン。圧迫感を与えない細身のフォルムで、空間を区切る役割も担います。細い脚やフレームを用いることで軽やかさを際立たせ、オープンでありながら適度なメリハリを生み出しています。

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洗面所・水回り|株式会社ミラタップ (旧 サンワカンパニー)
株式会社ミラタップ (旧 サンワカンパニー)
原浩二建築設計事務所
原 浩二
ここが私の評価ポイント!
住まいの中心に洗面台を設けたため、家具のような洗面台に合うシンプルで洗練された印象を求めました。ミラタップのエレガンススクエアは、薄い縁の美しいデザインとコンパクトさで空間に調和し、機能性も十分。価格も手頃でおすすめしやすく、これまでに何度も採用しています。
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