プロの住宅レシピ 空と景色を独り占め!非日常な時間を過ごすバスルーム
牧野 紘可
敷地は高台の崖沿いにあり、その立地を活かして建物全体を外に開く構成としています。
「お風呂から景色を楽しみたい。できれば外にも出られるようにしたい」というご主人の希望から、浴室も外に開き、デッキにつながる構成としました。
一番の特徴は、全面をフルオープンにできる大開口の窓です。
ピクチャーウィンドウや引き違い窓ではなく、すべて開放できるサッシを採用しました。浴槽は床に埋め込むタイプのものを採用。高台という立地上、外からの視線はほとんど気にならず、浴槽からは目の前に空が広がります。景色を独り占めする贅沢なひとときは、旅行先の宿で過ごしているかのような非日常を日常に取り込んでいます。
浴室用のブラインドも備えているので、視線のコントロールも可能です。
浴室はテラスを介して隣のリビングともつながっており、空間に連続性を生み出しています。
浴室で採用したベージュ系のタイルは、キッチンやリビングの面材と色味を揃えることで、家全体のトーンを統一。木部はウォールナット、鉄骨や窓枠、照明器具などの金属部分は黒で引き締め、上質で落ち着いた雰囲気に仕上げています。
お風呂が好きなご主人にとって、浴室は生活の一部として大切にした空間。こだわりの詰まった、非日常を感じられる場所になっています。