プロの住宅レシピ 「光のデザイン」でつくる、植物と暮らす角部屋のリノベーション

竹味佑人建築設計室
竹味 佑人
タイル

バルコニーから床幅80cmほどを丸く白いモザイクタイルで仕上げ、屋内だけど屋外に近い特徴的な場所に。Photo : アトリエあふろ

フローリングを斜め貼りとすることで、ワンルーム空間に広がりと動きを感じさせる工夫も。 Photo : アトリエあふろ

塗料

質感と光沢感のあるシルバーに塗装した壁。 Photo : アトリエあふろ

小上がりになった和室は、オープンなつくりにしながらもカーテンで仕切れるよう設計。床下には大容量収納も。Photo : アトリエあふろ

アクセントとして取り入れた、奥様お気に入りのタイル。Photo : cowcomo

南と東の窓から光がたっぷりと差し込む角部屋の特性を生かし、植物とともに暮らすライフスタイルに合わせて間取りを再構成したリノベーションの一室。
観葉植物やハーブ、バルコニーの果樹を育てる暮らしを前提に、採光や通風、動線をデザイン。家族とのつながりを感じながら、植物の手入れや触れ合いを楽しめる空間づくりを目指しました。

このマンションリノベーションのテーマのひとつが「光のデザイン」です。
住まい全体をワンルームに近い構成へと変更し、もともと5つ並んでいた窓を単なる開口の連なりではなく「大きな一枚の窓」としてデザイン。ヘムロックの木の板を連続して設けることで、部屋全体がやわらかな光に包まれた大きな窓辺空間となり、外とのつながりや景色を感じるさまざまな居場所が生まれました。
窓の上部には内側に折り上げた庇を取り付け、自然光を室内の奥まで届けています。さらに庇の上部には間接照明を仕込み、夜には光の帯が窓際を照らすことで、昼と夜で異なる光の表情を持たせています。

一方、窓際の反対側の壁にはシルバー塗装の仕上げを採用。
窓から差し込む光が壁面に反射することで空間全体を明るくします。さらに、時間や季節によって変化する光と影が壁に映り込み、住まいに豊かな表情をもたらします。

天井には既存のコンクリートをそのまま現しとし、自然素材と素地の質感を対比させることで、この部屋ならではの質感をつくり出しました。
素材や色味など住まい全体の要素は抑えながらも、キッチンや洗面室には奥様がセレクトしたお気に入りのタイルをアクセントとして取り入れています。
家族と過ごす時間とともに、植物の成長を感じる時間。ふたつの時間が重なり合いながら、この住まいの豊かさを育んでいます。

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採用されている製品

タイル・モザイクタイル|名古屋モザイク工業株式会社
名古屋モザイク工業株式会社
竹味佑人建築設計室
竹味 佑人
ここが私の評価ポイント!
東側のバルコニーに面する床の幅80cmほどを丸く白いモザイクタイルで仕上げ、屋内だけど屋外に近い場所として特徴的な場所になるように床を切り替えています。 色や光沢感にいくつか種類がある中で、朝の太陽の光を受けて屋内に反射する光沢感がある品番を採用しました。水に強く清潔感があり、日々の水やりが必要な大きな観葉植物を置く場所としても活躍しています。
採用製品
外装用上塗材 |エスケー化研株式会社
エスケー化研 株式会社
竹味佑人建築設計室
竹味 佑人
ここが私の評価ポイント!
採用したエスケー化研の水性ファインメタリックは、扱いやすさと安全性があり、仕上がりの質感が気に入っていて採用しています。 光沢のある仕上がりが特徴で、塗装方法によって質感に変化が生まれるため、デザインに応じた表現が可能です。 また、カラーバリエーションも豊富で、ゴールド系や青みがかった色など、微妙なニュアンスの違いを選べる点も魅力です。周囲の素材との組み合わせを考慮しながら色を探しやすく、空間に合わせた柔軟な対応ができます。 一般的な塗装に近い感覚で施工ができ、有害物質を含まないので、幅広い物件で使用しています。
採用製品
竹味佑人建築設計室
竹味 佑人

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