プロの住宅レシピ 密集地でも、明るくのびやかに。二世帯が快適に暮らす工夫
ご両親から受け継いだ住まいを、家族構成に合わせて建て替えた住まい。住宅が密集し限られた敷地のなかで、1階に単身世帯、2・3階に子育て世帯の4人家族が、それぞれ快適に暮らせるよう、小さな工夫を積み重ねました。
まずは、窓まわりの工夫です。
周辺には住宅が建ち並び、視線が気になりやすい環境のため、道路に面する窓は高めの位置に設定しました。天井に寄せた位置に設けることで、プライバシーを守りながら、光や風をしっかりと取り込みます。
また、長期優良住宅(「長持ちする」「性能が高い」「環境に配慮されている」などの基準を満たし、所管行政庁の認定を受けた住宅)を取得したいというご要望があったことから、1階の床下点検やメンテナンスがしやすいよう、基礎を通常より高くしているので、その分、窓の位置も自然と高くなっています。
さらに1階では、南東の角を少し削り、木目調のルーバーで囲った光庭のようなスペースを設けたことで、室内はより明るくなり、ペットと暮らす空間としても心地よい場所になっています。
室内では、できるだけ引き戸を採用し、扉を開け放ったときに住まい全体がひとつにつながるよう計画しました。動線がスムーズになり、限られた面積でも広がりを感じられます。
また、圧迫感が出やすい設備機器にも工夫を凝らしています。
1階では、ウォークインクローゼット内にエアコンを設置し、ガラリを通してLDKと空気を共有。機器の存在感を抑えながら、快適な室内環境をつくります。クローゼット内に設けた換気扇が空気の流れを生み、気持ちいい環境を保ちます。
2階のLDKでは、エアコンが壁や収納棚と一体に見えるよう、壁と同じ色味の板を1枚設け、存在感を消しています。
ご両親から受け継いだ住まいを、家族みんなが心地よく暮らせるかたちへ。
世帯ごとの距離感に配慮しながら、細やかな工夫とこだわりが詰まった二世帯住宅となりました。
Photo : (c) Nobuhiko Ito