プロの住宅レシピ 水蓄熱材と床下エアコンでつくる、足元から快適な住空間
七島幸之
一階に親世帯、二階に子世帯が暮らす二世帯住宅。
大きな吹き抜けが上下階をゆるやかにつなぐこの住まいでは、一年を通して心地よく暮らすために、温度のストレスがない住環境をつくることが欠かせません。
天井が高く、ガラス面も大きな住まいですが、一年を通して快適に過ごせるよう、温環境に配慮しています。
開放感のある住まいでは、通常のエアコンでは、暖気が上に逃げてしまい、温かさを保つことが難しい場合が多いです。
そこで、水蓄熱材とエアコンを組み合わせることで、快適な暮らしを可能にしました。
この住まいでは、親世帯・子世帯ともに、イゼナ社のアクアレイヤという「水蓄熱材」を採用しています。
アルミパックに水が入った蓄熱材を床下に敷き詰め、その上に合板を張り、フローリングを施工しています。一般的なエアコンを床(この建物の場合はキッチン下部)に半分埋め込み、エアコン吹き出し口から暖気を直接床下へ送ります。
通常の壁掛けエアコンは上から下へ暖気を送りますが、この仕組みでは床下に暖気を直接供給することにより、床下全体が暖気で満たされ、床下に敷いたアルミパックの水も温められ、足元から温かい空間となります。水は蓄熱性が非常に高く、さらに床下に面するコンクリート基礎も緩く温まるため、冬季はこれを続けることで快適な室内環境が保たれます。
さらに夏は、冷房と組み合わせることで、足元をやさしく冷やす床冷房としても機能し、一年を通して快適な住空間を叶えます。
開放的な住まいでも快適な暮らしができ、大変喜ばれています。
Photo : 澤崎信孝