プロの住宅レシピ 存在感を消したトイレ

note architects
鎌松 亮
ドアハンドル

壁の一部か収納扉のように見えるが実はトイレ

等間隔に割り付けられた木材の真ん中がドア。ハンドルは真鍮。

タイル 照明

手洗い部分は独立して使用できるよう裏側に出して設計

部屋になじんでトイレの存在を感じさせない

まるで壁のような仕上げで存在感を消したトイレです。
この『清澄長屋』は、来客も比較的多いため、3階の寝室や水回りなどのプライベート空間を通らず、下のフロア(1階玄関、2階LDK)で来訪者の行動が完結できるようにしたいと考えました。
そこでトイレを下のフロアにも設置し、大きなワンルームとなっている2階のLDKからそのままトイレに入る配置となりました。部屋の中でトイレの存在が主張するのは気持ちがよくないと考え、生まれたのがこの工夫です。写真1枚目のように、ドアと左右の壁部分の木材を等間隔に割り付け、天井部分まではふさがない形にして、一見ドアとは感じないようにデザインしました。合板仕上げの扉で、トイレスペースの垂れ壁部分にかぶさるので壁部分とドアが同じ見え方になります。
手洗い部分も外に出して、トイレ用だけでなく独立した手洗い場として使えるように設計しています。

PHOTO:Hiroki Kawata

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採用されている製品

金物|Tform(ティーフォルム)
大洋金物株式会社|Tform(ティーフォルム)
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鎌松 亮
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:レバーハンドル (丸座)
真鍮製のハンドルでで、経年変化により味わいが出る素材なところが選択したポイントです。ハンドルとしては高価に感じるかもしれませんが、金物系は納得のいかないコスト削減をしない方が良い場所だと考えています。常に見える部分ですし、日頃触れるところで、ここでコスト削減したとしても、家全体で見れば微々たるものです。で、あればこういう表に出る場所はこのレバーハンドルのように納得感のある質の良いものを採用し、他の見えない部分で工夫して予算内に収めるほうが良いと考えています。Tformさんのハンドルは、他の素材の物も含め複数の建物で採用しています。
採用製品
株式会社ダイナワン
株式会社 ダイナワン
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鎌松 亮
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:丸形タイル
ダイナワンの丸型タイルは、都営大江戸線の春日駅に使われていて、丸型と白い目地がとてもかわいいのでいつかどこかで使おうと思っており、『清澄長屋』で採用しました。駅に使用されるくらいなので、強度や清掃性の部分も申し分なく、おすすめです。
採用製品
インテリア・鏡|テオリ
株式会社 テオリ
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鎌松 亮
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ZERO(壁掛けミラー)乳白
シンプルな丸い鏡を探していましたが、なかなか見つからず、たどり着いたのがこのZEROでした。竹の集成材を巻いていて無駄がなく潔いデザインが魅力です。木でなく竹なので端部もとてもシャープでスタイリッシュです。フックに紐で吊るすので金具も表に出てきませんし、かけ替えたり移動することも可能で便利です。
採用製品
照明|オーデリック株式会社
オーデリック株式会社
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鎌松 亮
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:リネストラランプ
『清澄長屋』の手洗い場の鏡(TEORI/ZERO)の丸と組み合わせた直線の面白さで、この直管のライトを採用しました。陰影が出てきれいな明かりを作り出してくれます。直管の丸型はオーデリックの物しか見つかりませんでしたし、デザインもベース部分が見えなかったりシンプルできれいだったので選択しました。
採用製品
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鎌松 亮

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