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■ 軽井沢の別荘

古くからある別荘開発地に計画された木造の別荘です．

道路から3m程度アプローチ坂を上ってアクセスするように造成された敷地で，南東方向への眺望はよいものの，北西隣地には接近して隣家が建っており，くつろぎの時間の中隣家への視線を切りつつ奥行を感じられる配置を模索しました．

北西側のくの字型の壁で隣家への視線を遮りつつ，注意深く四方に開けた開口からは様々な方向に広がる森を体験できます．またくの字型のプランは緩やかな連続感と個別の領域感の両方を感じることができます．

また，リビングの前に広がる菱形の木デッキとラウンジ前のレンガテラスでは，BBQやパラソル下のお昼寝など，別荘ならではのアウトドアライフを楽しめます．

小さいながらも伸びやかな奥行の深さを感じられる家です．

photo:西川公朗

■ 配置を工夫してより快適に！中庭を中心とした住宅のキッチン

コの字型のLDK、中庭を中心にした住宅のキッチン。
ご主人様の夢はタイル張りのリビングでした。キッチンやダイニングまでのタイル張りは、食器などを落とすと割れやすく、傷つきやすいので、長く生活をする中で奥様の家事のハードルが上がってしまうことが懸念されました。そこで、メインの中庭から連続するようにリビングの一部をタイルにし、それ以外は木材にし区分けすることでバランスをとりました。直感的にきれいな区分けを感じるよう、スリットや建具の角にタイルのラインを合わせてデザインをしています。
ダイニングテーブルにつながるカウンターは、お友達と過ごしたり在宅ワークをしたりなどフレキシブルに活用されています。
中庭中心の住宅の場合、中庭に向かうように部屋を展開するため、家族全員の視点がどうしても中庭に向かいます。そうするとすこし息苦しさを感じるので、中庭以外にも焦点をつくるため、住宅の奥にも庭を作り出窓を配置しました。 出窓にはガラス棚を取り付け飾り棚へ。隣家の庭の緑を背景に取り入れました。庭と出窓を持つことで、ダイニングテーブルのどの位置からも緑が感じられ、隣家にも圧迫感が無いようバッファーゾーンのような役割も果たしています。洗濯物も干せるので中庭が洗濯物干し場にならず、いつも綺麗な状態に保つこともできます。
ⓒMasao Nshikawa