新篠津西の家

作品紹介

北海道新篠津村の郊外に立つ小さな平屋です。子育て中の家族が3人で暮らします。周りには田畑が広がる自然豊かな環境で、四季を通じて美しい景色が広がる一方で、冬は豪雪、強風といった過酷な環境になります。

 建物は桁間7間、梁間3間のコンパクトな矩形で、一尺間隔で登り梁と垂木が棟木にかかるシンプルな構造です。登り梁、垂木にはツーバイ材を使うことで、コストを抑えながら意匠にも配慮しています。特徴は、建物を守る深い軒、自然落雪を促す3.5寸勾配の切妻屋根、冬の西風対策を兼ねた水回り、隣の旧家(主に収納用)と行き来しやすい建物配置、将来の間取りの可変性です。室内の仕上げは道産カラ松材、霧島シラスの左官塗り、屋外には道産トドマツ板押縁貼(木酢液ドブ漬け)と経年変化する自然素材で構成しています。

 家づくりに積極的に参加してくれたご家族。木部の塗装作業の後には、実際に手を動かすことで、より愛着が湧いてきたと嬉しそうに話してくれたのが印象的でした。つくる過程を知ってこれからどう住みこなしていくのか、期待しています。

作品データ

所在地: 北海道 新篠津村

土地面積: 1470㎡

延床面積: 70㎡

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