作品紹介

敷地は都市部には珍しく低層の家がゆったりと建ち並ぶ住宅地にある。
 建主は外からは覗けないが内部では開放的な空間が展開する、シンプルなかたちの住宅を望んでいた。この要望が、この家のすべてのデザインをつくり出したといっても良い。
 まず、主空間であるLDKは明るい最上階に配置し、この空間が外から覗かれないように中庭 = Floating Patioと一緒に壁で囲い、1階の和室の構造体の上に浮かぶように置いた。
 地下にも、もう一つの南北に細長い中庭 = Sunken Patioをつくり、ここに寝室や浴室など私的な空間を配置した。

 これらの空間に対し、1階は外界とのつながりの強い空間として扱い、ここに和室を置き、お茶会もできるよう設えた。2階を浮かすことで、その下の和室回りに生まれた中庭を中心とする流動的な空間は、茶庭に例えれば露地となり、和室は露地に置かれた茶室となる。この三つの中庭は一体となって一つのPatioとなる。
 ここに2階下の水平なスリットからさわやかな風が流れ入り、通常閉鎖的になりがちな中庭が、プライバシーを保ちながら、風通しの良い快適な空間として結実した。中庭型都市住宅の新たな可能性が提案出来たと感じている。

写真:   小川重雄

   *  平井広行

   ** 新建築社写真部

 

 

作品データ

所在地: 東京都

延床面積: 226.86㎡

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