勝間田の家2

作品紹介

 住まいは岡山県北部、出雲街道 勝間田宿の代官所跡に、敷地の選定から参加させて頂いた計画である。敷地西側の地元住民しか通らない狭い道路からのアプローチになる。大きな瓦屋根は道路に向かって勾配をとり、道路側の圧迫感を減少させ、大きく跳ね出した軒で夏の西日を遮蔽している。道路側に視覚的に開放した玄関土間は、生活空間との緩衝地帯になる。そこには、カーテンもブラインドも無く、少し狭い間隔に並んだ柱が、わずかに外からの視線を遮っている。
 家族4人の生活は、「どこに居てもお互いが見える」ことが求められた。リビング・スタディーコーナー・畳室・ダイニング・キッチンが大きな一つの空間に連なり、その上部のハイサイドライトからルーバー天井を通して外光を取り込んでいる。
 最近の住宅を見ていると出来上がった時が一番きれいで、その後は、ただ汚れて劣化していくだけのものが多いと思う。この住まいは経年変化で、古びて色が変わり、傷がつき、手垢がついてよくなっていき、家族が生きた時間を刻み込んでいく建築を目指している。

作品データ

所在地: 岡山県 勝田郡勝央町

土地面積: 431㎡

延床面積: 203㎡

土地の形状: 平地

作品集

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