プロの住宅レシピ リビングとつながる、もう一つの自由空間

出村 昌也
この住まいで目を引く、土間スペース。
リビングからそのまま続く土間スペースは「将来的にドライフラワー教室を開きたい」という奥様の思いから計画しました。教室になるフリースペースでありながら、普段はリビングの一部として心地よく使えるよう設計しています。
ポイントは、「つながり方」です。リビングと土間を完全に区切らず、あくまでリビングの延長として使えるデザインにすることで、日常の中でも自然と使いこなせます。必要に応じて、スクリーンで空間を仕切ることができるので、プライベートとパブリックの切り替えもスムーズです。
土間といえば寒いイメージもありますが、この住まいでは性能面にも徹底的に配慮しました。リビングと同じくらいの快適さを実現するために、壁の内外両方に断熱材を施した「付加断熱」を採用しています。更に大開口からたっぷり日光を取り込み、床下エアコン暖房との併用で温かく過ごせます。夏の暑さには日差しを約9割カットしてくれる遮熱シェードを採用するなどで対応。素材選びやデザイン性だけでなく、「使い勝手」「温熱環境」「日射のコントロール」などで、長く心地よく暮らす工夫を施しました。
住まいのもうひとつの一つのリビングとして、来客を招くスペースとして、さまざまな使い方が楽しめる空間です。