プロの住宅レシピ 伸びやかに!自由に!プロムナードが走る立体的な住まい

高池 葉子
外から玄関を通り、そのまま室内へと続く、土間のプロムナード。フランス語で「散歩道」を意味するこのプロムナードは、住まいの中心を走ります。
玄関すぐの土間を挟んで左右にリビングとダイニングを設け、土間をそのまま進むと、子どもたちの遊び場や庭へとつながります。屋内から屋外へ、ぐるりと回遊できる設計です。
また、空間は立体的にも広がります。6つの床レベルを持ち、床を巻き上げるような立体的な構成です。
土間からキッチン・ダイニング、リビング、そしてさらに高さをずらしながら書斎や寝室、子ども部屋へとつながります。段差が空間の境界になりながらも、ゆるやかに連続することで広がりが生まれ、この高低差そのものが、子どもたちの遊び場にもなっています。
さらに、これらの段差を活かした収納で、暮らしの快適さも追求。たとえば、ダイニングスペースの段差を活かして床下をまるごと収納にしたり、階段の踊り場にも大きな収納を設けるなど、実用性も重視しました。
コンパクトな家の中に、縦軸と横軸の広がりを持たせることで、子どもたちも回遊しながら、立体的に遊べる。そんな、伸びやかな住まいとなりました。
Photo : Kai Nakamura