プロの住宅レシピ 崖の上の変形地に開く、緑の眺望

藤山建築デザイン事務所
藤山信博

閉じた印象の玄関から廊下を進むと、一転して目の前に広がるのは、開放感に満ちた緑の眺め。

急傾斜の崖の頂に面し、残る二方を道路に囲まれた、約30坪の変形地に建つ。

2階子供室。全室から緑を楽しめる。風景を遮らないよう枠なしのFIX窓と、黒く塗装した木製のオリジナル引き戸を採用。取っ手は設けず、方立の小口に手がかりを設置。アコーディオン網戸を木製方立の内側に収納。

キッチンからの緑の眺め。緑が広がる東側に対し、南側は民家の景色が続くため、あえて大きな開口は設けず、採光と通風を取り入れつつも白い壁面で視界を遮った。

地上階のデッキは崖側へ大きく張り出し、下の土を隠すことで建物に浮遊感を与え、視線を緑へ誘導。2階のデッキは1階デッキの屋根としての役割も。

2方向が崖に面した高低差のある変形地に建てられた住まい。
外からは閉じた印象ですが、LDKに入った瞬間、視界いっぱいに広がるのは緑のパノラマ。
崖下の国有林がまるで一枚の絵のように室内に溶け込みます。サッシを排した枠なしの大開口窓や、取っ手のない木製引き戸など、視界を妨げない工夫が随所に。
室内は白を基調にナラ材の床でまとめ、自然の色を引き立てます。
風と光は計算された開口部を通ってやさしく流れ、朝の光が差し込むキッチンは、住宅街にいることを忘れさせてくれるような心地よさに満ちています。

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藤山信博

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