プロの住宅レシピ 光のグラデーションが広がる、暮らしの中心の吹き抜け空間

株式会社秋山立花
秋山 怜史
照明

右側に設けた収納兼ベンチは、リビングからテラスにつながる通路にもなるデザインに。

階段は軽やかに見えるようにデザインを統一。

階を上がることに光のグラデーションが生まれ、雰囲気が異なる空間に。

リビングから見た吹き抜け空間とその奥に広がるテラス。

ピアノを置いた地下室。モールテックスで仕上げ階段に腰掛けて演奏を聴くことも。この場所もまた一つの居場所になっている。

お施主様の希望は、「家族がどこにいても、雰囲気や存在を感じられるような、つながりを持った家にしたい」というものでした。
建物は三階建てで、地下・1階・2階の三層を吹き抜けでつなぎ、どの階にいても家族の気配や空気が伝わるよう、どの部屋も「吹き抜けにどう面するか」を大切にしています。

吹き抜けは用途を固定せず、自由に使える「家族の居場所」です。
個室やリビングではない空間で、勉強やゲームなど、家族が思い思いに過ごせます。リビングと吹き抜けはスキップフロアで半階ずらすことで、同じ空間にいながらも適度な距離感と視線の抜けをつくっています。
ただ空間を設けるだけでは自然に集まる場所にはなりません。そこで、階段や収納、ベンチなどを組み込んだ多用途の造作家具を配置。リビングからテラスへ出る通路としても利用できるなど、複数の役割を兼ね備えることで、自然に使われるアクティブな空間になっています。

吹き抜けが家族の居場所として活きる一方、リビングはゆっくりとくつろげる場として機能します。ソファに座ってテレビや景色を眺めるなど、落ち着いた時間を過ごせる空間です。吹き抜けの存在が、リビングをよりリビングらしく引き立てます。
さらに、吹き抜けを介してテラスへつなぐことで、空間に豊かさが生まれます。テラスはリビングと同じ高さですが、同一フロアで連続させるよりも、「吹き抜け」という別の空間を間に挟むことで、住まい全体に奥行きと広がりを与えています。

吹き抜けからつながる地下室は、ピアノやトレーニングができる趣味の空間です。吹き抜けから漏れる光が地下室に届くため、閉鎖的な印象はありません。階を上がるごとに明るさが増し、光のグラデーションによって空間の印象が変化します。

Photo : 鳥村鋼一写真事務所

シェアする

採用されている製品

照明|ニューライトポタリー
株式会社ニューライトポタリー
株式会社秋山立花
秋山 怜史
ここが私の評価ポイント!
今回はお施主様のご希望により、こちらの照明器具を採用しました。単体ではなく複数灯を組み合わせることで、大きな吹き抜け空間においても十分な存在感と明るさを確保でき、空間全体に豊かな表情を与えることができました。器具の質感も上質で、空間に自然に馴染みながらも印象的なアクセントとなっています。同製品ではないものの、同メーカーの照明はこれまでも頻繁に使用しており、信頼性とデザイン性の両面で高く評価しています。照明は空間を彩る大切な要素であり、すべての方におすすめしたいアイテムです。
採用製品
株式会社秋山立花
秋山 怜史

他の家づくりのアイデア

プロの住宅レシピ カテゴリ