■採用製品：PS HRヒータ　VX,HX,RX,YUCCA
『十勝の家Ⅲ』ではPSのパネルヒーターをあえて見せながら住宅のデザインにとりこんでいく形で使用しました。また、この住宅以外でもPSの製品を何度も採用しています。北海道の寒冷な気候に合わせた家づくりの中で、ふく射熱で暖まるパネルヒーターはとても有用な暖房器具です。（最近では北海道も温暖化でふく射式の冷房にも関心が寄せられています。）その中でもPSさんはサイズや色のバリエーションも豊富で、既製品のなかから選んだとしても空間のサイズにあった物が選べます。例えば他社では3機に分けなくては対応できないような、長尺の物も既製サイズで対応でき、結果としてコスト面でも3機使うよりも抑えられることもあります。さらに特注対応もしてくれるので、相談しながら最適なものをつくり上げていくことが可能です。私の事務所から近い北広島市に工場があるので、そこで現物や製造過程を見ながら選んでいける楽しさもあります。いわゆる量産品で決まりきったものだけを提供するというだけでなく、所属されているそれぞれの設計者の方の個性もあり、私たちがプランを持って相談しに行くと、設計者の方によって様々な角度のアイディアを提示してくれます。また、例えばチーズの専門業者や乳製品を扱う店舗など厳密な温度管理が必要な場所でも活躍していて、産業用の繊細な対応もできるメーカーです。
工場にクライアントと一緒に伺って製品選びをすることもあるのですが、工場の周囲に自社で植林を50年くらい続けておられて緑が豊かで環境意識の高い企業であると感じます。工場が身近というのは、海外の輸入製品と比較して、カスタマイズやメンテナンスの必要が生じた際にも小回りが利きやすいということもあり、安心して採用できます。

■採用製品：ナラ 120mm巾 定尺 （15×120×1,820）
東邦木材さんは北海道産の木材で質の良いものを潤沢に持っておられ、納期の不安などもないので、信頼してよく採用しています。ナラとタモに関しては定尺のフローリングが扱われているので、特にその点に関して他ではなかなかないと思います。
（※定尺とは、一定の長さで揃ったフローリングのこと。今回は1820mm。対して、一般的なのは乱尺という長短あるフローリングの組み合わせ）
梁などの構造とラインを合わせてスッキリ仕上げたい時などに、「朝鮮張り」という同じ長さの床材を配列し、つなぎ目に縦向きの床材を差し込む、韓国の住宅などでよくみられるフローリングの張り方をすることがあります。そういった手法は定尺でないと採れないので、品質のよい定尺フローリングの取り扱いのある東邦木材さんは頼りになります。

■採用製品：造作家具
gauzy calm worksはとても技術力の高いオーダーメイドファニチャーブランドです。テーブルや椅子などの他、飾り棚などの造作家具も物件にあわせて依頼しています。最初に存在を知ったのは旭川デザインウィークというものづくりのデザインイベントでした。その時にすぐ依頼したわけではなかったのですが、のちに施主の方が林業に携わっている方で木材が持ち込みという案件があり、それが最初の依頼となりました。乾燥の手間や木の性質が把握しきれないことから、他の家具工房などは皆さん難色を示されたのですが、gauzy calm worksの方は、やってみましょうと言ってくれました。技能五輪で1位になった職人の方も3人所属しておられ、他にも技術と志が高い職人さんが集まっているのですが、フットワークが軽く、気軽に相談に応じてくれる雰囲気もとても仕事を進めやすく信頼しています。ホテルなどの数が必要で大規模な案件から、我々のような個別の住宅の特注、また製品として一般への家具の販売など幅広く展開していて、価格も比較的こなれているという、死角がない魅力的なものづくり企業です。