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高池葉子建築設計事務所

住所: 東京都渋谷区代々木4-22-11 チサンマンション参宮橋1G

TEL : 03-6804-1931
E-mail :info@yokotakaike.com
URL : http://yokotakaike.com/

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■ 床と光の家

夫婦と子供の3人家族の住まいである。敷地は、千葉県八千代市のニュータウンの一角。最近まで畑や林などが残っていた地域で、周囲はまだ更地が広がる。
夫は家全体がワンルームのように繋がり光に溢れた住まいを望み、妻は収納が多くプライバシーを保つことができる住まいを望んだ。両極端のリクエストを実現するため、立体的なワンルームとすることで地面と空を家の中に取り込み、環境と人とものの関係性を、床の段差によって構築した。

 

1階のほとんどは地面と連続した土間である。土間からコンクリートの基礎を伸ばして腰壁として現し、床高の異なるキッチン・ダイニングとリビングを土間を挟んで配置した。床の段差部を見せる収納として、土間と床の境界がものの居場所となる。土間から階段を8段上がると書斎スペースがあり、将来的には子共の電子ピアノが置かれる。
さらに2段、4段の段差を上がったところにベッドがひとつずつ入る夫と妻の部屋があり、いちばん上の子どもの部屋へと続く。これら6つの床の段差は、5歳の息子にとっては格好の遊び場である。

 

今後周囲に住宅の建つことが予想されるので、開口部は外壁側に多く取らず、ミルフィーユ状に床と床の隙間を光の取り入れ口とし、外壁は、断熱性に優れたポリカーボネート中空板で帯状に覆うこととした。プライバシーを保ちながら、内部まで光が入る。また、人の背よりも高いところに透明なハイサイドライトを帯状に回し、通風と視線の抜けをつくった。
リビングのソファから見上げると、折り重なる床の先に空が見える。高さの異なる6つの木の床とコンクリート土間は、平面的な広さとしてはコンパクトな家の中に、感覚的な距離を生む。これらが生活の中で展開されることで、家族の繋がりが床を媒介として一体となりつつ、のびのびとした広がりを感じさせる住宅とした。

『新建築住宅特集』2021年6月号 掲載

 

Photo : Kai Nakamura

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プロの住宅レシピ

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■ ふたりの希望を叶える、光と床の住まい

「家全体に光が溢れワンルームのようにつながる空間がいい」というご主人。「掃除がしやすく、収納が多く、プライバシーを守りたい」という奥様。お二人の希望をどちらも叶えるため、様々な工夫を取り入れました。

まず、住まいはレベルの異なる6つの床を、少しずつずらしながら巻き上げるように設計。そこで生まれた段差を活かして、一段高くなったダイニングスペースの床下をまるごと収納とし、さらに階段の踊り場にもたっぷりと収納を設けました。
また、この段差が緩衝帯となり、ワンルームのような空間でありながらも個々の居場所とプライバシーを保ちます。

「光で溢れる住まいでありながら、プライバシーを守りたい」という相反するご希望を叶えるため、光の取り入れ方にも工夫を凝らしました。周囲の環境から、将来的に建物が建つ可能性も考慮し、外壁には開口を多く設けず、床と床の隙間から自然光をミルフィーユ状に取り入れる設計に。
外壁にはポリカーボネート中空板を帯状に覆い、たっぷりと光を取り入れながらも、断熱性とプライバシーを確保しました。
また、天井近くに帯状のハイサイドライトを設けることで、空や風景も室内に取り込みます。
さらに、透明ガラスから差し込む直射光、ポリカーボネート中空板から届くぼんやりと優しい間接光、そして床の隙間から漏れる光と、質感の異なる3種類の光が混ざり合い、時間や天気によって表情を変え、住まいに豊かさを与えます。

積極的に取り入れた自然素材と、素材の質感をそのまま見せる真壁構造を活かし、家全体がフレームのような存在となり、子どもたちはその中を自由に駆け回る…伸びやかな日常が生まれた住まいです。 希望をかたちにしながら、暮らしの自由をやさしく包み込む住まいができあがりました。

■ 伸びやかに!自由に!プロムナードが走る立体的な住まい

外から玄関を通り、そのまま室内へと続く、土間のプロムナー...