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    二子玉川の住まい

明野設計室一級建築士事務所

新百合ヶ丘にある自宅+アトリエで住宅を中心に夫婦二人で設計を行っている設計事務所です。贅沢すぎず、けれども十分な、身の丈にあったたったひとつの住まいを住まい手と一緒につくってゆきたいと思っています。


住所: 神奈川県川崎市麻生区王禅寺西

TEL : 044-952-9559
E-mail :tmb@juno.ocn.ne.jp
URL : http://tm-akeno.com/

土地探しも相談可能

建築的な条件を整理などした上で、お付き合いのある不動産関係の方をご紹介し土地探しができるようご協力しています。

作品集

物件

■ アトリエのある二子玉川の住まい

静かな住宅街に位置する敷地とは言え、都内の便利な場所とあって、ほどほどに住宅の立て込んだ地域でした。
窓を開け、視線や風を通して光を取り入れる為には、隣家の大きな窓と「正対」することを避け、
周囲の建物の合間をぬった位置に開口をとってゆく必要がありました。
そこで、効果的な位置に複数の窪みを設けて隣地との距離を確保し、窓の向きをコントロールしました。
その結果、朝起きてから陽が沈むまで、さまざまな方位に向けたどこかの窓から光が差し込み、風が抜ける空間が実現しました。


物を作ることは特別なことではなく日常とおっしゃていたお施主さん。
刻々と変わりゆく陽射しと壁に映る影、窓から見える樹々の変化が、創作意欲を刺激してくれることを願っています。

■ 古さを活かした百合丘のリノベーション

今回築40年以上の古家付土地を購入されたご家族は、当初は解...

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ 記憶も想いもバトンのように。 「戻す・活かす・補う」で繋ぐ家。

こちらのリノベーション事例は、最初は新築として検討されていたもの。

「建て替えるつもりで中古の一戸建てを購入したのですが、どうしても壊す気になれません。どうしたらいいかアドバイスをいただけませんか?」というご相談を受け、オーナーさんと一緒に現地へ。そこで私たちもオーナーさんのお気持ちを一瞬で理解しました。

建物は築40年を越える木造2階建て。板張りの壁も年月を経て味わい深くなり、壊してしまうのは惜しい!という感覚を自然と共有できたのです。実はこの建物は建築家の手によるもので、当時の住宅雑誌にも掲載されていたことがわかり、モダンなデザインや間取りに納得。売り主は当初の施主の娘さんでしたが、ご両親から愛着のあるご実家を譲り受け、シェアハウスなどとして残すことも考えたものの、さまざまな事情で手放すことになったといいます。

新たなオーナーさんにとっても、売り主である娘さんにとっても、建て替えではなくリノベーションという選択がベスト。そこで、途中の増改築によって違反建築となってしまった部分を元に戻し、現状では足りない耐震性や断熱性をしっかり補ったうえで、既存の建物のよさをできるだけ活かすリノベーションを目指すことになりました。

間取りはほぼ変えず、すり減っていた階段の踏み板も、室内の建具もそのまま再利用。深い色合いに変化していた板張りの壁は一度はずし、断熱補強が必要な外壁に面した壁のみ石膏ボードに貼替えました。
オーナーさんにとっては、元の建物の魅力が伝わる新居が完成。売り主さんにとっては、家族の思い出が詰まったお住まいの断片を残すことができました。

この事例を通して改めて考えたのは、リフォームとリノベーションの違いです。リフォームは「古くなったものを新しく取り替えること」。一方でリノベーションは「必要に応じて竣工当時の状態に戻し、不足しているものを補いながら、その建物が持つポテンシャルを目いっぱい生かすこと」。その家が引き継いできた記憶や歴史を大切に残していくことが、リノベーションの本質なのではと思います。