道上のデイサービス

作品紹介

敷地は広島県福山市郊外の新興住宅地。周囲を個人住宅や集合住宅に囲まれ、東側以外の3面を道路に接する角地である。3方向道路という条件から、特徴的な開口部をもつ外観とすることで街との関係性を深め、福祉施設としての質を特徴付けることを考えた。

建物は南棟の1階に機能訓練室、2階に事務室を割り当て、北棟は各階の関連機能を集約したシンプルな構成とすることで各棟を周囲から逸脱しないスケールとし、用途の強さを緩和している。構造架構についてもシンプルな掛け方とし、街と素直に向き合うことを意識している。

南棟の立面を大きく占める開口部は、機能として彩光や通風を積極的に取り込みつつ、内外の距離感をグラデーショナルに変化させ、それぞれが異なる窓辺を構成している。リズミカルに大きさを変えて並ぶ連続窓は、リハビリにおいても視覚的な刺激を与える役割を担っている。一方で、外から見ると、機能の枠を超えた大きな窓を構成し、この施設の目指しているオープンな活動を態度として表現する立面となることを意識している。

住宅地への福祉施設の挿入という課題に対し、機能やディテールが街と連動することで特徴的な福祉環境を生み出しながら地域を明るく照らす顔となる建築が出来上がった。

 

PHOTO:中山保寛(中山保寛写真事務所)

 

作品データ

所在地: 広島県 福山市

土地面積: 294.98㎡

延床面積: 195.54㎡

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