• 物件
  • 物件
  • 物件
  • 物件
  • 物件

ナノメートルアーキテクチャー 一級建築士事務所

住所: 愛知県名古屋市中区栄4-17-27エンパイアビル402

E-mail :info@nm-9.com
URL : https://nm-9.com/

土地探しも相談可能

関連ページ

作品集

物件

■ 地上の家

敷地条件と施主要望の矛盾を解きほぐす斜面地の解法

 

敷地は前面道路から奥に向かって5m高くなっており建ぺい率も大きくはない。施主からの要望は具体的でさまざまな部屋の面積や高さなどが決められていた。庭は手入れができないため要らないともいわれたが、この敷地は緑化率の規定があり、様々な矛盾と戦うこととなった。

元々ここは住宅街に残された畑で、敷地内には作物や木が多くあった。周りの家は切土をして平らな家を建てるか、半地下のガレージをつくりその上に建てていた。しかし、それでは土の移動や擁壁に多額の費用がかかり、地形を無視した庭、もしくは南側に手入れの行き届かない大きな庭ができてしまう。
そこで、畑だった特徴を活かし高低差をおおよそそのままに住宅をもち上げた。地上をピロティと緑化の場所にし、地上に水平の広がりを獲得している。玄関は敷地奥に配置し、緑化された場所を通らなければいけない。庭だと荒れていても気にならないかもしれないが、毎日通る道であれば手入れもしたくなるだろうし、ピロティであれば天候問わず子供と遊びたくなるかもしれない。
要望された各室の面積を満たそうとすると建蔽率をオーバーした。居住部を2層だと叶うが、3層では法規も厳しくなり、また建材の高騰時期と重なり平屋形式を採用している。吹き抜けの要望があったLDKは平屋ながら3.8mと高い天井高を維持している。また希望面積確保のため両端部は寝室、収納、水回りを2層とし、階数に含まないロフトとした。さらに緑化率とのせめぎあいからLDKの幅を狭め、I型の平面とし、建築面積に入らない出窓を設けることで平面的に広げ、伸びやかな内部空間を獲得している。
登っていく斜面地に建てる場合、敷地の傾斜に合わせ段々に床をつくっていく形式が多かったように思う。今回の建ち方は、崖上に入口があり斜面は行かない場所とする懸造のような形式と似ているが、入口は崖の低い方にある点で逆転している。斜面地に向き合う新しい解法であり、地上から開放された地の上に建つ住宅となった。

 

 

Photo : ToLoLo studio

 

 受賞:第35回すまいる愛知住宅賞 佳作

■ 志摩の家

「造作の構造」   三重県志摩市のリアス式海岸に囲ま...

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ 団地リノベで広がる、多様な暮らし方 ~住戸の中心に「ロの字」の空間~

壁式RC造の団地のリノベーションでは、構造上、壁を大きく変えることが難しいため、間取りの工夫が住み心地を左右します。
今回のリノベーションでは、従来の団地の「田の字」型プランに代わり、住戸の中心に「ロの字」の空間を設けるプランで、団地の特性を活かしながら、柔軟な暮らしを楽しめる住まいへと生まれ変わりました。

一般的な団地リノベーションでは、ワンルームのような広い空間を作ることが多いですが、この場合、空間が広すぎて使いこなせないことや、家具が増えてかえって狭く感じてしまうことが課題としてあがりました。
そこで住戸の中心にロの字型の四角い箱を配置し、その隙間を縫うように小さな空間を設けることで、暮らしやすさを向上させました。 ロの字の内側はLDKなど「集いの間」として使えるサイズとし、ロの字の外側は用途を限定せず、住み手のライフスタイルに合わせて変化できるサイズ感にこだわりました。例えば、ワークスペースや子ども部屋、収納スペースとして活用できます。
さらに「ロの字」の空間を作る壁を、収納やインテリアの一部として機能させました。壁の厚みを活かした収納スペースにすることで、限られた空間に収納力を確保。小物を飾ったり、洋服を掛けたりと、住む人が自由にカスタマイズできる設計です。

また住まいには、団地の歴史をデザインに反映させるため、解体した際に現れるコンクリートの質感や、かつての住まいの痕跡を活かしながら、新たなデザインへと更新。コンクリートの荒々しさは残しながらも、木材とのバランスを調整することで優しい空間を目指しました。

今回のリノベーションでは、単に部屋を作るのではなく、多機能を兼ね備えた壁を住まいの中心にロの字型に配置することで、既存の団地の間取りに囚われない、新しい空間となりました。

Photo : ToLoLo studio

■ 団地リノベで広がる、多様な暮らし方 ~狭いベランダを暮らしの一部に~

団地のベランダは奥行きが狭く、使いづらさを感じることがあ...