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オーダーキッチンは「存在感を消すこと」和田浩一の極意
インテリアデザイナー&キッチンデザイナーとして、900件を超えるオーダーキッチンを設計してきた和田浩一さんは「オーダーキッチンの匠」として今なお数多くの案件を手がける一方で、キッチンアカデミーを主宰して後進を指導するなど幅広い活動で知られています。
和田さんのオーダーキッチンづくりには二つの哲学があります。
一つは「使う人、一人一人に寄り添ったものであるべき」ということ。もう一つは「キッチンの存在感をなくしたい」ことです。
和田さんは「大手メーカーのキッチンは、最大公約数の人々にアピールすると同時に分かりやすさを伝える必要があるため、いろんな特長を訴えているようで、実は『掃除が楽である』ことと『収納がたっぷりある』ことに集約されています。自社製品を差別化させる必要があるため、周囲のインテリアとの調和を気遣うよりも、自己主張の強いキッチンとなりがちでもある」と話します。
「本来キッチンというのは、個々の使い手に寄り添い、生活の中に自然に溶け込む・・・周囲のインテリアとの調和が求められるはず」そう考える和田哲学を見ていきましょう。
使う人に寄り添えば、キッチンは一つ一つ全て異なる
キッチンの基本は調理という作業スペースです。
和田さんは「キッチンは『火』『水』『包丁』『収納』4つの要素から成り立つ」と説きます。
「火」「水」「包丁」はカウンターの上で行われるもので一体的に考える必要があり、「収納」は前の三つとは切り離して考えることもできます。
ただ、4要素全てに使い手の個性に合わせてキメ細かく設計することで、使いやすさが断然変わってきますから、一人一人異なる身長や作業の癖・料理のレパートリーなどに合わせて快適に作業できるキッチンにするには、結果的にオーダーメイドに行き着くのです。
キッチンを意識しない空間創り
かつてキッチンは、奥まった見えないところにありましたが、最近はリビングと一体となり、インテリアの一部であることが求められます。
だとすれば「リビングで寛いでいる時に、必然的に目に入るキッチンを(作業スペースだと)意識しなくてもいいデザインを考えるべき」であり、「キッチンを設備機器と捉えるのではなく、インテリアの延長として家具と同じ捉え方をする必要がある」のです。
和田さんがキッチンデザインの枠を超えてインテリア全般に携わるのも、キッチンスペースが周囲のインテリアと一体になってデザインされることが不可欠になっているからです。
個々の使い手を意識した目線は、作業中の環境を考えることにもつながります。
先ほど挙げたキッチンの要素で「火」「水」「包丁」はカウンターの上で行われると書きましたが、そのうち手元から目を離しても大丈夫なのは「水を扱っている時」。
であれば「水を扱っている時は、外の景色を見せてあげられる」ので「シンクから景色の見えるキッチンプランニングをすることが多い」と言います。
キッチンの外にいても内にいても、作業的にも環境的にも使い手への心遣いが感じられる、それがオーダーキッチンの極意なのです。
生活に溶け込む自由なキッチン COCOO
和田さんが手がけてきたキッチンの集大成が「COCOO」と名付けたキッチン。
キッチンを自由にしたい、どんなライフスタイルでも合うキッチンレイアウトを可能にしたい・・・カウンターの上で行われる「火」「水」「包丁」に「食べる」という要素を加えて、人の動きやライフスタイルに合わせて自由自在にレイアウトできる究極の「LIVING KITCHEN」をめざして設計されています。
人が囲むアイランドキッチンではなく、主役である人に合わせて変身するキッチン「COCOO」が、これからのキッチンのあり方を大きく変えるかも知れません。
STUDIO KAZ 主宰 和田浩一
- 会社名
- プラナビ編集部