テツヤジャパン代表・木村哲哉さんとバーチ耐水合板の出会い。
1BOX車に4×8のバーチ耐水合板を積んで、全国を営業で回っているテツヤジャパン。
元々エアコン設置などの電気設備業を営んでいた木村さんが、ロシア白樺耐水合板専門の木材ビジネスに乗り出したのは、義父からのアドバイスがきっかけでした。
木村さんの奥様はロシア人で、お義父様はロシアで木材学を教える専門家。
義父は来日した際に、木村夫妻に連れられて行ったホームセンターで販売されている合板を見て「日本は品質の良い国と聞いていたが、こと合板に関してはロシアの方がはるかに品質が良い」ことに大変驚いたそうです。そこから義父に「この地の合板を日本に広めてみてはどうか」と提案されたのが始まりでした。
木材については門外漢の木村さんにとってはゼロからの出発。材木問屋や木工工場に見本を持って尋ね歩いたところ「品質は良いが、どういう木材を使用するかを決めるのはプロダクトデザイナーや建築家だ」と言われ、これはと思うところにアプローチしたところ、最初に大きな関心を示してくれたのは音響製品のデザイナーや造船会社の設計技師でした。
材料によって音が異なる音響製品や、材料の選定が船の速度や時には命にさえ関わる造船は素材への探求心が強く、常に最高の素材を探していたからです。
バーチ耐水合板で制作したスピーカー
ヤマサキアトリエ一級建築士事務所 1212 x 290 x 9mm UVセラミックホワイトニイロ塗装
音響製品や造船に納めるようになると、評判を聞いた建築家がロシア白樺のバーチ耐水合板に関心を示すようになり、現在では住宅やオフィスなどの建築用に幅広く使われています。
建築家がバーチ耐水合板を好むのは「表面や断面が美しく、そのまま使える事」や「耐水性に優れている」のに加えて、「圧倒的な強度」にあります。例えば厚さ12mm合板の場合、日本製は大半が5層ですが、ロシア白樺のバーチ耐水合板は9層。この積層数の違いが、反りや強度などに威力を発揮するのです。
大きな4×8(1200mm×2400mm)の1枚板というのも魅力です。ヨーロッパでは普及材として出回っているロシアンバーチですが、日本では新しい素材だけに在庫をしている材木問屋はありません。「合板と言えば、まずバーチ耐水合板を検討して頂けるよう、日本の普及材にしていいきたい」木村さんの夢でもあり、実現をめざして邁進する大きな目標でもあります。
ヤマサキアトリエ
建築家 山崎 裕史
造作材として一般的な合板といえば、まずシナが挙がるでしょう。
しかし、私が手がける最近の物件では、より強度が高く、硬質さを感じながらも表面の色合いが柔らかいロシアンバーチの合板を多く採用しています。
一般的なシナ合板よりも積層面が細かくきれいで、小口をそのまま見せられることも魅力です。
テツヤジャパンでは、４x８判の原材からこちらの希望に応じた寸法にフローリング加工してくれます。
また、家具などに使用するときは、複数枚の合板を貼り合せることで、厚みを見せたりすることもありますが、そのような加工にも対応してくれます。
単に材料を販売するだけではなく、提携先の木工所で様々に加工してくれることも、導入のしやすさに繋がっていますね。
合板といえど、まだまだ可能性を感じる材料です。
閉じる
